イベント会場で考えてその日のうちに開発が進む
── 初音さんの作品は、はてなでブックマークされた動画から、目的にあったものを見つけてきて一覧表示するというアプリですが、アイデアはいつ思いついたんですか？
初音 当日はてなさんと話をしながら思い浮かびました。Windows 8のタイルに似せたはてなさんのサイトを見ているときに動画カテゴリがあることを偶然発見して、それだったらVOCALOID関連の動画を見つけてきて一覧表示しようと。
アプリソムリエとつくろう！第1回「アプリ開発Weekend」の様子も公開されている
石田 私はWindows 8のアプリは、すでに2本マーケットに出しているんです。Visual Studioのサンプルを使ったRSSリーダーと、Android用に作った電卓アプリを、Windows 8向けに移植しました。
RSSリーダーは、XMLをそのまま持って来られるのでラクでした。XMLをクライアントの端末だけで処理できるのは魅力でした。通常はアプリだけでは処理できないので、別途サーバーを用意しなければならない。そうしないと読み込めないので。この差は大きかったです。
電卓についていは、Androidからの移植なのですが、コアの計算の部分については、ほぼそのままWindows 8で動作させることができました。見え方や変数などは若干いじる必要がありましたが、思ったよりも苦労せずに移植できました。OS固有の部分さえ気をつければ、Andoridアプリは手軽に動かせてしまう。
こんなアプリを作りました！
── みなさんが作ったアプリについて教えてください。
初音 これなんですけど――。（画面を見せる）
初音さんが作った「はてなボカロニュース」
じつは、コンテンツの表示や検索も、すべてありモノ（はてなAPI）を使ってやっているものなんです。ボーカロイド関連のYouTube動画から、はてなブックマークがたくさん付いた最新のものが見られます。ボーカロイドの種類によってグループ分けして、単純にブックマーク数でカウント。ほかのおふた方はJavaScriptとHTML5でお作りになったとお聞きしていますが、これはXAMLとVBで作っています。Windows 8アプリでは、言語を自由に選べる点がいいですね。
中島 ぼくが作ったのは、話題の本を検索するというアプリです。はてブから「話題の本」「マンガ」といったタグが付き、かつ「Amazon.co.jp」にあるものを抽出して、書影とともに表示するんです。今のところは「話題の本（仮）」というアプリ名なんですけれどね。ビジネス書とか実用書とか、ジャンルを絞って表示させることができます。
中島さんが制作されたアプリ
取材時点では「話題の本（仮）」というシンプルな名称だった
── こういったアプリは、イベントに参加するとかんたんに出来てしまうんですか？
中島 はい。はてなのAPIは「このユーザーのこのタグ」という細かいレベルまで呼び出せるようになっているので、使い勝手が良かったです。本に特化したアプリの制作も簡単でした。
── ふだん手掛けているウェブアプリの制作と比較して、どうでしたか？
中島 作り方には、それほどの違いはありませんでした。機能というより、見せ方の違いを意識する必要がありそうです。ウェブサービスの場合はコアなユーザーに向けたものが喜ばれるんですが、Windowsアプリの場合は「はてな」を知らない人も考慮しなくちゃならない。だから「はてなブックマーク」という表記をせずに、別の言葉で表現したりとか、そうした工夫をしました。
Windows ストアへの道はマイクロソフトが提供するWindows ストアアプリの情報が詰まったサイトだ
Windows 8 Clinicはアプリ開発にまつわる様々な疑問を質問できるコーナー。マイクロソフトの開発担当者とアポを取って、直接アプリ開発に対する疑問をぶつけたり、自分の作ったアプリに関する評価や改善のためのアドバイスを受けることができる
── なるほど。石田さんのアプリはどうですか？
石田 私は女子向けのキーワードを抽出して表示する「はてブ女子部」というアプリです。はてなのトップページがノンカテゴリだったので、特定のターゲットに絞ったものがあってもいいのかなと。女性も興味を持ってくれそうな記事はたくさんあるので、そうしたキーワードを持つ記事を表示するんです。「ビューティー」「料理」とか。あと意外に好評だったのが「イケメン」ってキーワード。
一同：確かに！（笑）
アプリソムリエの皆さんにも好評だったという「はてブ女子部」
商談電卓は他のプラットフォームからの移植作品
石田 ぼくのはまだ公開してませんが、4月中にはストアにアップしたいです。
