プログラミングの経験がなくてもスタートは切れる
── みなさんの、開発者としての経験をお伺いしたいのですが。
石田 えっと、じつは私、2012年の1月まで食品小売業で働いていたので、開発の仕事はしたことがないんです。プログラミングは、MSX-BASICと、XBASICという、はるか昔の言語だけですね。あとはウェブサイトを運営していたときに、HTMLを手書きしていたくらいです……。
中島 ボクは本業でデザインの仕事をしているのですが、5年ほどまえにプログラミングをしてみようと思い立ちました。でもなかなか前のめりに取り組む機会がなくって、レベルでいえば趣味の域からは出ていないくらいです。使える言語もJavaScriptか、せいぜいPHPくらいと限られているのですが、Windows 8アプリはそれでも作れるんですね。
初音 私は、プログラミング自体はけっこう長くやっているんですけれど、従来のWindowsアプリの開発とはまったく違っていて新鮮です。受託開発と違って、自分でストア配信するアプリを作る形になるのもそうですし、アプリの作り方も今までと違うので、それまでの経験は抜きにみんなが同じようなスタートラインに立っているというのも新鮮です。
石田 JavaScriptが使えるのはいいですよね。
初音 コンパイルする言語が好きなのですが、スクリプト言語も使えるのは好感が持てる。JavaScriptには、かっこいいライブラリがたくさんあるので、昔はとても苦労した部分が簡単に実現できてしまいます。
そういう点からみても、古参の開発者と、これから始める人の差って、それほどないのかもしれないなぁ、と思います。それよりも、どんなものを作りたいのか、というアイデアのほうが大切じゃないかな。たとえば、中島さんがイベントで作っていた「話題の本(仮)」。これ、デザインがすごくかっこいいんですけど、ボクはこういうの作れない(笑)
中島 ありがとうございます(笑)
実践的なテンプレートをもらえるだけでも参加する価値があった
── イベントに参加して、皆さんはどういう感想を持たれましたか?
初音 短時間でしたが、(開発を簡単に進めるための)テンプレートもあって、思った以上に作りやすかったですよ。(それにこのイベントでは)はてなAPIで疑問があればはてなの方に、Windowsストアアプリ開発で疑問があればMSの方にすぐに聞くことができるので、疑問ができたら5分で解決という感じで。このスピード感はありがたい。
アプリ開発の本質の部分に集中することができました。ボクの場合は当日の完成にはこぎつけなかったけれど、その後数日でアプリの申請~公開までできた。これだけスピーディーだと、次バージョンでは検索機能やチャームに対応しようとか、その次はあんな機能もつけようとか、いろいろ欲が出てきます。
公開したアプリはすでに国内外の方からレビューもしてもらっているんですよ。過去に作ったWindows ストアアプリの中では開発時間はかなり短時間でしたが、いちばん反応が良かった。
石田 私はできるだけWindows 8の開発イベントに参加するようにしてます。なぜなら、昨年、Windows 8のプレビュー版が出た頃から(アプリ開発に)注目していたからなんです。Windows 8は潜在のユーザー数もかなり大きな規模になりそうだということがわかっていたので、今のうちに流れに乗っておいたほうがいいだろうと。でも、アプリ制作の学習方法がいまのところインターネットか本しかないんですよね。独学もいいんですけど、イベントなら聞けばすぐにわかる。
中島 こういうイベントは、家でやるよりモチベーションを保てますしね。ライブラリがそろっているのもいいです。今回は「はてなブックマーク」がテーマだったんですが、それもよかった。自分自身も普段から使っているので。それでイベント参加すると、さまざまなテンプレートが最初から用意されていた。それも得意なJavaScriptだったし。別のアプリに応用もできますしね。それとお昼ごはんも豪華だった(笑)。
一同:(笑)
石田 ボクはアプリソムリエが一番印象に残った。写真まで撮らせていただいて……って、それはまぁおいといてください(笑)──周囲からは「それが目的なんじゃない?」と言われたりしましたけれども。
── 皆さんそれが目当てだと思ってました(笑)。