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最大6.25TBの容量を実現するLTO6テープドライブも発表

Sun ZFS用のソフトでOracle DBのプロビジョニングが迅速に

2013年03月01日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2月28日、日本オラクルはOracle DBのプロビジョニングを容易にするSun ZFS Storage Appliance用ソフトウェア「Oracle Snap Manegement Utility for Oracle Database」を発表した。また、最大6.25TBの容量を実現するLTO6対応のテープドライブも発表された。

Oracle on Oracleの実力とは?

 発表会の冒頭、日本オラクル システム事業統括の宮坂美樹氏は、SPARCやx86サーバー、OS、仮想化、管理ツールなどの汎用プラットフォームのほか、オラクルソフトウェアに最適化されたハードウェアを推進するシステム事業全体の戦略を説明した。

日本オラクル システム事業統括 ソリューション・プロダクト統括本部 副統括本部長 プロダクト・マネジメント・オフィス 本部長 宮坂美樹氏

 こうしたシステム製品の中、ストレージ製品としてはファイルストレージの「Sun ZFS Storage Appliance」、自動QoS機能を持つSANストレージ「Pillar Axiom」、テープ製品の「StorageTek」など幅広いラインナップを取りそろえる。「台数から考えて、サーバーの方が目立ってしまうが、データが爆発的に増大し、有象無象のトランザクションが渦巻いている現状、ストレージは無視できない存在になっている」(宮坂氏)とストレージ製品の重要性をアピール。フラッシュやディスクのみにとどまらずテープまでを含めたストレージ階層化管理や、高い圧縮率と高速なクエリを実現するHCC(Hybrid Columnar Commpression)のようなオラクルならではの技術により、コストの最適化やパフォーマンスを実現できると説明した。

Oracle on Oracle Storageの実力と実績

 続いて新製品について説明した日本オラクル システム事業統括の阿部恵史氏は、現在のデータベースストレージが陥っている課題を「データが増えているのに、コストは下げなくてはならない。でもデータ保護は確実にやる必要がある」と説明。こうした課題を解決するストレージ製品として、第3世代に突入したSun ZFS Storage Applianceを挙げた。

日本オラクル システム事業統括 ソリューション・プロダクト統括本部 プロダクト・マネジメント・オフィス システム製品事業推進グループ ストレージ担当ディレクター 阿部恵史氏

 今回発表されたSnap Manegement Utilityは、このSun ZFS Storage Appliance上のOracle DBのプロビジョニングを容易に行なうソフトウェアになる。阿部氏は、データベースを利用可能にするまでに必要なストレージの設定や運用準備が複雑で、時間がかかっていたと指摘した。従来はデータベース管理者がスクリプトやAPIを介して、ストレージの設定を行なっていたが、時間と手間がかかっていた。

複雑なデータベースプロビジョニング

 しかし、Snap Manegement Utilityを使うことで、こうした作業なしでデータベースの管理者が迅速にプロビジョニングを行なえる。具体的にはテストや開発用の複製環境を簡単に作れるほか、スケジュールやポリシーに基づいたデータ保存、スナップショット管理の自動化などを実現する。「ストレージ設定や運用のルーチン作業を効率化し、DBAとストレージ管理者の双方に効率化をもたらせる」(阿部氏)。

 実際の活用例としては、Oracle DBのスナップショットやバックアップ/リストア、本番DBのクローン作成、異機種環境でのクローン集約のほか、Exadataのデータベースからクローンを作成する場合にも利用できるという。Snap Manegement Utilityはコントローラーあたり44万8370円(税抜)で提供される。

Sun ZFS Storage Appliance

最大6.25TBのテープに対応した最新LTO6ドライブ

 また、あわせてStorageTekブランドのテープドライブとして、「StorageTek LTO6 Tape Drive」を追加した。ドライブは「StorageTek SL150 Modular Tape Library」などのテープライブラリに格納可能。1巻あたり最大6.25TBのテープカートリッジに対応し、最大160MB/秒を実現する。前世代のLTO5のドライブに比較し、容量あたりで約2.1倍、非圧縮時で約1.7倍増加しているという。

容量と性能を強化した「StorageTek LTO6 Tape Drive」

 また、テープメディアとしてメタルパーティクルだけではなく、平均寿命30年というバリウムフェライト採用のメディアも用意される。「StorageTek Tape Analysticソフトウェア」を活用し、問題あるデバイスをいち早く特定することが可能だという。

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