レンズの歪曲収差補正機能をチェック
J3には「1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6」(以下10-30mm)と「1 NIKKOR VR 10-100mm f/4-5.6」(以下、10-100mm)が付属するレンズキットモデルがあり、S1は10-30mmが付属するモデルのほかに「1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6」(30-110mm)が付属するダブルズームキットが用意されている。
J3とS1はともにレンズの歪曲収差を補正する機能が備わっているので、絞り変化のチェックと共に収差補正機能のオン/オフを確認してみた。レンズは10-30mmと30-100mmはS1に装着し、10-100mmはJ3でテストしてみた。
10-30mm 広角側 補正オン(左)/オフ(右)
まずは10-30mmの広角側。開放絞りからシャープネスは高い。F5.6~8.0までがピークでそれ以上絞るとシャープネスは低下していく。
10-30mm 望遠側 補正オン(左)/オフ(右)
続いて望遠側。絞り開放から十分なシャープネスがある。絞りを絞ってもシャープネスは上がらないが、F8.0以降は徐々に低下してしまう。
30-110mm 広角側 補正オン(左)/オフ(右)
次は30-110mmの広角側。絞り開放からシャープネスは高い。絞っても最小絞り値のF16だと、やや甘くなるが、F8.0までなら十分にシャープだ。
30-110mm 望遠側 補正オン(左)/オフ(右)
望遠側では、開放絞りからシャープだが、1段絞ったF8.0が最もシャープ。やはりF16はかなり甘くなってしまう。
10-100mm 広角側 補正オン(左)/オフ(右)
最後は10-100mmレンズ。まずは広角側。開放からシャープで、絞りを絞れば絞るほどシャープネスは低下していく。できるだけ絞らず、開放に近い絞り値で使うほうがいいだろう。
10-100mm 望遠側 補正オン(左)/オフ(右)
望遠側は開放だとシャープネスが甘い。1段絞った状態が最もシャープネスが高く、それ以上絞るとシャープネスは低下していってしまう。
3本とも最小絞り値はF16だが、どれもF16まで絞ると回折現象によってシャープネスが低下してしまう。できるだけ絞らずに開放に近い数値、絞ってもF8.0までに留めるようにしたいのがすべてのレンズに共通した印象だ。
また、歪曲収差補正はズームの望遠側ではあまり効果はないが、広角側での効果は大きい。デフォルトでオフになっているため、気がつかずにオフのまま使ってしまいがちだが、できればオンにしたほうがよいだろう。
ただし、処理速度が低下するので書き込みに時間がかかったり、若干だが画角が狭くなる可能性があるため、連写などの処理優先時にはオフ、ゆっくり撮影できる場合にはオンと使い分けるといいだろう。