制約の多いパソコンとの連携
電子ノートをパソコンにUSB接続すると、外部のUSBメモリーとして扱われる。筆記したノートブックをパソコンにコピーしたり、バックアップすることもできる。カラー表示が当たり前パソコンだが、電子ノートの筆記データは「モノクロBMP」画像としてパソコンに出力される。また、パソコン側の画像データは、「600×700ドットの16色BMPファイル」という条件さえクリアすれば、電子ノートへの取り込みも可能だ。
電子ノートに取り込める画像データは、一般的なパソコンのアスペクト比とは異なる、少し寸足らずで短い縦位置画像のみ、取り込むことが可能だ。電子ノートに取り込んだパソコン画像は、16階調のモノクロ表示となる。また、電子ノート上では、読み込んだパソコン画像の編集はできないが、新たに文字や絵を書き加えることはできる。残念ながら、けっこう面倒くさい減色処理やサイズ変更を行なった後で転送した電子ノート側で、何をするのが一番価値があるのか、筆者にはいまだ使い道が思いつかないので、まったく活用できないでいる。
すでにITワールドの最先端では、Wi-Fiペンで紙に書いた手書きスケジュールが、Googleカレンダーと自動的に同期できる時代だ。そんなクラウドコンピューティング全盛時代に、パソコンとの限定されたケーブルデータ交換のみを引っさげて登場したレトロイメージの電子ノートは、極めて特殊な注目をすべき存在だ。しかし筆者には、買うかどうか悩んでいる人の背中を押せる自信が、今のところまったくない。
現時点で、電子ノートとパソコンの連携は、BMP画像データのやり取りしかできない。そのため、パソコンとの意味あるデータ連携は、ほぼ期待できない。そうなると、現在使っている手書きのシステム手帳との機能比較や、その対価の妥当性がポイントになる。その場合の比較ポイントは、やはり液晶パネルに文字を書くという手の感触や、文字の見やすさだろう。価格的にはほぼKindle Fire HDと同額だが、比べるスペックがあまりにも食い違っているので、単純な比較は難しい。
IT世界では、いつまで待っても「極めつけ」が登場しない手書き世界。デジタルとアナログの統合や混成には背を向けて、電子ノートはITとは無縁のシステム手帳派の支持を受けて、新しい市場を開拓するのか否か? 筆者のように、「電子ノートの周囲4ヵ所には『SHOT NOTE』のマーカーを切り取って貼り付けてみよう」なんて考えているユーザーは、お呼びではないことだけは確実だ。
もし登場するなら、「電子ノートII」は「CloudPad」なんて呼べるような、一昨年ASUSTeKから発売された「EeeNote」を凌駕する、「目のつけどころがシャープ」な商品をお願いします。
今回の衝動買い
アイテム:電子ノート WG-N10
価格:ヨドバシ・ドット・コムにて1万4800円で購入
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
この連載の記事
-
第782回
スマホ
6万9800円で「nubia Flip 5G」折りたたみスマホを衝動買い -
第781回
トピックス
真ん丸の外観に惹かれ円盤型「UFOマウス」を衝動買いしたが…… -
第780回
トピックス
好みの時間を設定可能、乾電池式「ポモドーロタイマー」を衝動買い -
第779回
トピックス
レノボとAmazonベーシックのお勧め「ラップトップスタンド」を衝動買い -
第778回
トピックス
折ってちぎって6人で使える「Paper Pens」を衝動買い -
第777回
トピックス
ゲオでレトロ感満載「FM付き レトロスピーカー」を衝動買い -
第776回
トピックス
発売日に電子メモ「Boogie Board(papery)」を予約衝動買い -
第775回
トピックス
ユーザー評価の高いJPRiDE「model i ANC」を手に入れた! -
第774回
トピックス
割り切りが素晴らしい3COINSの3300円スマートウォッチを衝動買い -
第773回
トピックス
Galaxy純正の遺失物トレースタグ「SmartTag2」を衝動買い -
第772回
トピックス
昭和レトロなプレーヤー復刻版「サウンドバーガー」を衝動買い - この連載の一覧へ