多くのメーカーが4K2Kテレビを発売
ただし今年はまだまだ高嶺の花?
次世代テレビのひとつとして期待される4K2Kテレビも、昨年各社から製品が登場し、今年も着実にラインナップが充実していくと思われる。現在のところ4K2Kのコンテンツの発売や放送などが期待できないことから、「フルHDコンテンツしかないのだから4K2Kテレビは必要ない」という意見が多い。
だが、実際に画質を見てみると、そういう意見は軽く吹っ飛ぶ。驚くほどに高画質になる。これは、4K2Kテレビを発売している東芝の「55XS5」(関連記事)や、ソニーの「KD-84X9000」(関連記事)での超解像技術による4K2Kアップコンバートによるもの。
また、シャープはアイキューブド研究所のICC技術を搭載した「LC-60HQ10」(関連記事)で、超解像とは異なるアプローチで高精細な映像再現の世界を実現した。
実際のところ、4K2Kテレビは個人的にもかなり期待できるものだが、なにしろまだ価格が高い。基本的に4K2Kテレビはすべての人が手に入れるものでなく、画質にこだわる人のための特別なテレビなので、現在の薄型テレビのように値段が下落することはない。
だが、それでも1インチ=1万円くらいでないと買いにくいだろう。今年は手の届く価格で登場する4K2Kテレビに期待したいところだ。
4K2Kテレビが普及すれば、前述のスマートテレビ的なものもより使いやすくなる。画面を4つに分割したマルチディスプレー表示の活用だ。画面が1/4でも解像度はフルHDなのだから、情報量に問題なし。放送を見ながらネットで検索やSNSサービスを利用するといった使い方も現実味を帯びてくるはず。
その意味では、4K2Kテレビだけでなく、シャープの32V型4K2K液晶モニター「PN-K321」(関連記事)などもユーザーのニーズは大きいだろう。
今年も止まらない!? テレビの大画面化&低価格化
同時に60V型を超える大画面の普及も楽しみなところ。70V型や80V型の登場で、ちょっと前までかなり高価だった60V型テレビは製品によっては10万円台のものも登場するなど、かなり買いやすい価格になっている。
部屋を暗くしないと使えないプロジェクターと違って直視型のテレビは使いやすいし、大画面の迫力は誰にとっても良さがわかるもの。ここまで価格がこなれてくると、一般家庭でもテレビは60V型が標準的と言われるような時代が来るのは案外近いのではないかと思う。
2013年のテレビのメインストリームは高級志向!?
そしてもうひとつ。今年早々にはLGエレクトロニクスやサムスン電子から、有機ELテレビが登場するはず。解像度はフルHDではあるものの、表示パネルとしてのポテンシャルの高さは液晶を超えるものがある。高画素の4K2Kテレビと、広色域+高コントラストの有機ELとの対決も見逃せないところである。
いずれも高価格になるだろうが、テレビ需要が伸び悩む現在では、こうしたハイエンド型の高級テレビが市場を牽引していくことになるだろう。よって、今年の薄型テレビは高級志向がより明確になってくると思われる。
個人的な予想では、こうした次世代テレビが手の届く価格になるのは、次のオリンピックの開催年(2016年)くらいになると思う。