電子書籍ストアで“やつら”を発見! ホームズが謎を解き明かす!?
そこで、ふと思い出したのが、冒頭の「デジタルドクショBookLive!」の文字だ。仕事柄、ピンとくる。そう、電子書籍ストアの「BookLive!」である。しかし、本当にアノBookLive!なのか? 内容があまりにかけ離れていて確信が持てない。さっそく「BookLive!」のサイトにアクセスして、ページを眺めていくと、視界の隅に「兄弟」の文字を捉える。そこか! 宇宙兄弟……違ーう、こんな素敵な兄弟ではない。僕が探してるのはもっとだるだるした兄弟だ。めげずにページをスクロールしていくと……あった! やつらのバナーだ!!
脳裏に浮かぶ疑問符を解消するための手がかりを求めて、吸い寄せられるようにバナーをクリック。リンク先には特設ページが開設されており、アノ歌詞とふたりの名前が確認できたが、ほかにこれといった手がかりは見つけられない。BookLive!が? なぜ? ますます疑問符が増えていく。BookLive!の動画なら、相応になにかメッセージが込められているはずだ。
そう考えて動画を眺めてみると、無表情でこちらをみつめているカットなどなど怪しいシーンが目についてくる。しかし、何度も動画を見直してみるが、まったく手がかりが掴めない。途方に暮れていると、そばを通りかかった編集Gが画面をのぞきこみ声をかけてくる。“踊る”デジタル本兄弟観てたんだ。おもしろいだろ?」……踊るデジタル本兄弟!? それだ!! BookLive!は電子書籍ストアである。“踊る”が付く書籍と言えば、ミステリー小説好きには、ピンとくる1冊があるではないか。シャーロック・ホームズが登場する「踊る人形」だ。短編作品で、踊っているような人の形をした落書きが、推理のカギを握っているアノ話だ。
帰ってきた名探偵の活躍を描く本格ミステリーのスタンダード
「シャーロック・ホームズの生還」
作者名:アーサーコナンドイル
訳:阿部知二
出版社:東京創元社
価格:420円
「シャーロック・ホームズ」シリーズの第三短編集。「最後の事件」で生死不明となっていたホームズがベーカー街に帰還。再びさまざまな事件を解き明かしていく。「踊る人形」のほか「ノーウッドの建築業者」「六つのナポレオン胸像」など全13編を収録。
そうとわかれば、まずは「踊る人形」のおさらいからだ。ストーリーの大筋は覚えているが、さすがに詳細までは覚えていない。さっそくBookLive!で、シャーロック・ホームズで検索する。瞬時にホームズ関連の書籍がずらずらっと並んで出てきた。出版社違いの同じ作品もラインナップされるなど、なかなか充実している。その中から「踊る人形」の収録されている「シャーロック・ホームズの生還」(東京創元社)をカートに入れる。購入までの仕組みは、ほかのショッピングサイトと一緒だ。