ついにレーススタート!
可夢偉、スタートダッシュ成功!
ドライバーたちがクラシックカーに乗って登場するパレードランのあと、ついにF1マシンがグリッドにつく。可夢偉選手は予選4位だったが、他の選手がペナルティーで降格したため、3位にあがったはずだが……と目をこらしてみたら、3番手グリッドにいる!(当たり前) 最終コーナーからだと豆ツブだが、それが逆に誇らしい。可夢偉応援シートのボルテージもMAXまで上がっている。ほかにも2年ぶりに復帰したキミ・ライコネン、引退を表明し今回が鈴鹿ラストランとなるミハエル・シューマッハなどの応援シートも設置され、鈴鹿全体が燃え上がっているようだ。そしていよいよ、運命のシグナルがブラックアウトする。
去年はスタートで失敗した可夢偉選手だったが、今年はバッチリロケットスタート成功。2位にいたレッドブルのマーク・ウェーバーをかわし、1コーナーを抜けたところでなんと2位に。トップを走るレッドブルのセバスチャン・ベッテルにも追いつきそうな勢いだ。と思ったら、優勝候補の筆頭でポイントリーダーであるフェラーリのフェルナンド・アロンソとロータスのキミ・ライコネンがいきなり接触し共倒れリタイヤに。某媒体で“サーキットの通り魔”と称されていたロータスのロメイン・グロージャンがウェーバーにつっこんで、ウェーバーはスピンし最後尾へ、グロージャンはペナルティーで10秒のピットストップとなり、さらにセーフティーカーも導入されていきなりレースは荒れ模様。
まさか生でセーフティーカー(SLS AMG)が走っているところが見られるとは思わなかったので、これには筆者もYK3も大興奮。テレビでは何度か見たけど、実際に見られるなんて。セーフティーカーが入らざるを得ない状況になってしまったのは残念だが。
セーフティーカーランが終わったら、ベッテルがいきなりリードを広げる。目視でもわかるくらい後続をどんどん引き離し、彼の必勝パターンである一人旅状態に。可夢偉選手は1回目のピットインで後続のフェリペ・マッサ(フェラーリ)の先行を許して3番手に落ちてしまうが、なんとかジェンソン・バトン(マクラーレン)の前に出ることに成功。そこからマッサを猛追するが、2回目のピットが早すぎたのか、後半は目に見えてタイムが落ちていき、残り5周といったタイミングでバトンの射程距離内に入ってしまう。
もはやマッサに追いつくのは不可能なので、あとは3位を守り切ることに全身全霊を捧げる可夢偉選手。しかし、相手は超一流チームのマクラーレン、そのうえチャンピオン経験者である。F1ドライバーで日本人の彼女がいるということ以外は共通点はない強大な相手だ。あの5周のプレッシャーたるや、F1どころかカートでも苦戦している筆者でも手に取るようにわかるほどだ。YK3と「もう終わって~。ここで終わって~」と情けない声で応援することしかできなかった。残り3周目くらいになると、バトンは明らかにオーバーテイクをしかける体勢に入っている。
だが、鈴鹿の観客が一丸となって大声援を送り、それが後押しとなって元王者のバトンを退け、なんと鈴鹿では日本人として22年ぶりとなる表彰台に上ったのだった。なお、22年前は現・ARTAの監督、鈴木亜久里だ。
これには鈴鹿サーキット全体が大盛り上がり。誰からともなく可夢偉コールがわき上がり、すべての観戦スポットで「可夢偉! 可夢偉!」と表彰台の可夢偉選手にコールを送ったのだった。もう「帰りはどうやって早く帰るか」なんてどうでもいい。この感動に少しでも浸っていたいと、結局表彰式まで見て帰路についたのだった。
正直、これまでの可夢偉選手は運がなかったり、ピット戦略のミスだったり、自分自身のミスだったりで、消化不良が続いていた。なので、実はあまりこの鈴鹿戦も期待はしていなかった。だが、まさかこんな堂々たるレースを見せてくれるなんて。表彰台から日本のファンに向けて、彼は「ありがとう!」と言っていたが、われわれも彼に「ありがとう」と言いたい。こんな歴史的な瞬間に立ち会えるなんて、応援していてよかった。表彰台に燦然と輝く日の丸を見て、つくづくそう思った。
日本でこんな感動的なレースをして、国民に勇気と希望を与えた可夢偉選手だが、レースメディアによると来季のシートが危ぶまれているという。それもスポンサー不足で。今はミクZ4でもおなじみのグッドスマイルカンパニーをはじめ、何社かがパーソナルスポンサーについているが、ほかの日本の企業もこれを機会にどしどし応援してくれるといいのになあ、と可夢偉選手の未来に思いを馳せつつ、鈴鹿サーキットを後にしたのだった。
来年も期待してますよ!
鈴鹿の余韻はゲームで浸ろう!
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つい先日行なわれた韓国GPではアレだったが、日本鈴鹿GPで日本中を元気にしてくれた小林可夢偉選手。そんな彼も出演する「F1 2012」で、感動の鈴鹿を追体験しよう!
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前作から追加されたのは、チュートリアルモードとも言うべき「ヤングドライバー・テスト」、2000年以降の歴代チャンピオンに挑める「チャンピオンモード」、アメリカ・グランプリの新サーキット「サーキット・オブ・ジ・アメリカズ」、予選と決勝が短縮された「シーズンチャレンジ」、本作のテクニカル・コンサルタントであるアンソニー・デビッドソン氏が各サーキットの解説を行なう「ラップチュートリアル」など。
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