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ネットから世界に羽ばたく20代の“プロ絵師”たち

2012年07月21日 12時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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プロの仕事はネットでやっていたことの応用版

Image from Amazon.co.jp
2011冬ワンフェス限定 ねんどろいど キャラクターボーカルシリーズ01<雪ミク>初音ミク

―― ちほさんは初め、どんな形でお仕事を?

ちほ クリプトンさんからお声がけいただいて、お仕事をいただくことが増えてきたように思います。いちばん初めは2~3年前、たしか雪ミクのイラストとかで。

※ 雪ミク : 第61回さっぽろ雪まつりの応援キャラクターとして初音ミクが起用され、グッドスマイルカンパニーからスペシャルバージョンフィギュア「ねんどろいど 雪ミク」が発売。2011年には同デザインのラッピング路面電車が走るなど、札幌全体がミク祭りの様相を呈した

―― 初音ミクデビュー組ですね。おなじ初音ミクを描く上でも、ニコニコ動画に上げるようなイラストを描くのと、プロとして描くのはやっぱり意識が違いますか?

ちほ お金もらってやるからにはちゃんと描かないとっていうのは思います。たとえば、前にiPhoneケースを描かせていただいたときとかは、マンガ絵に寄せすぎると普段使いできないだろうし、でもキャラクターから離れるとミクじゃない、モノによってどういう絵を描いたらいいのか……というのを考えるようになりました。

ちほさんのイラストをあしらったiPhoneケース

―― 好きな絵より、どう使ってもらったらいいのかを考えるようになったと。

ちほ 好きなものを描くだけなら、パッ、パッ、ポーン、って感じで描けるんですけど。ただ、ボーカロイドの曲に対してイラストを描くときも、似たようなことをさせていただいていたので……その流れがあって、そういう風に描くようになったのかなと。ヘビメタとテクノポップでおなじ絵を描くわけにはいかないじゃないですか(笑)。お金は発生しないですけど、「模擬発注」みたいな。お互い楽しんでそういうことができてるので、すごくいい勉強させていただいているっていう感じがありますね。

ちほさん「またこんにちは」(pixivより。初音ミクの曲「1925」のために描かれたもの)

―― お仕事はネット上でやってきたことの応用版なわけですね。

ちほ ただ、自己満足よりもっと満足させなければいけないものがあるんだと思います。

ちゃもーい めちゃめちゃかっこいいですね……。

―― 相変わらずあこがれ目線ですが、ちゃもーいさんもpixivデビュー組ですか?

ちゃもーい 私の場合ちょっと違ってて、学園祭のポスターがきっかけなんです。うちの学校、SNSをすっごい使ってる学校なので、Twitterで「学園祭のポスター描いたよ」ってのを書いたら、それがすごいバズっちゃって。そこで注目されて一気にフォロワーが増えたんですけど。1400人くらい。

ちゃもーいさんが学園祭のポスター用に描いた「七夕伝説」

―― 1400人ってめちゃくちゃすごいですね。

ちゃもーい 半分くらいは学校の人なんですけど。そこからTwitterとのつながりが増えて。IT系が好きだったフォロワーの方を経由して、運良く今回のミクのTシャツの企画に引っかかり、信じられないことに仕事を振っていただき……。

―― あこがれていた人たちと一緒に仕事をすることになったわけですね。

ちゃもーい 動揺しました。いろんなステップをすっとばしてきちゃったんじゃないかなと。逆に、それまでは他の人たちの絵に憧れながら描いてきたので、似た絵柄になっちゃいけないと思って。それからはなるべく見ないようにしてます。

ちゃもーいさん「2011」(pixivより、年賀状に使ったイラスト)

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