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2年連続の女王戴冠なるか? 5年目のミクGTプロジェクト 第25回

GSR関係者インタビュー最終回

清濁併せ呑む! 安藝社長が見据える初音ミクGTの未来

2012年07月03日 18時00分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部

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キャラクター業界がレース業界で勝つということ

──最後、谷口選手が1位で帰ってくるのを見て、どんな気持ちでしたか?

安藝 最後の数周で谷口選手がかなりペースを上げたじゃないですか。まわりのみんなは抑えろって言ってるのに(笑)。あの気持ち、僕にはすごいわかるんですよ。他のドライバーの気持ちを折ってしまえ! って。もちろん彼は無茶ではなくて、勝算があってやっていることなので、谷口選手があえてあそこでペースを上げた時点で、こりゃ勝ったなと。その時点で僕は感極まってましたね。ゴールしたあたりでは、わりと冷静になっちゃって(笑)。しっかりと完走してチャンピオンで帰ってきて、谷口劇場・完って感じでした。GTでチャンピオンになっても他のカテゴリーのレースで活躍してて、戦う姿勢を崩さない彼はまだまだ現役でしょうね。

──谷口選手は念願のチャンピオンも取れたし、2012年はチームを離れるかと思いましたが。

安藝 彼もこのチームのやり方を気に入ってくれて、シーズンが終わったあとに「勝ったからって今年でやめないですよね?」って念押しされたんですよ(笑)。そして、2012年シーズンをどうするのかっていうことを、彼の結婚式の2次会で延々話してて。彼がパーティーの主役なのに(笑)。無事に残ってくれて良かったですよね。

──チャンピオンになったことで、安藝さんの本業には影響ありましたか?

安藝 いや、全然(笑)。でも、いろんな人からおめでとうの電話がじゃんじゃんかかってきましたね。意外とみなさん見てたんだな~と。キャラクター業界がまったく別業種であるレース業界に殴り込んでいって、そこでチャンピオンになったということで、キャラクター業界全体が自分のことのように喜んでくれたのかもしれません。最初は冷ややかな目で見られつつも、何年かかけて勝ち取るという構図がよかったのかも。普通ならねたみそしりって出やすいですけど、そういうのは一切感じませんでした。ファンのために、何年かかっても勝利を収めるんだっていう、GSRの姿勢がわかってもらえたと思います。それが良かったことですね。

──今後のチームの展望みたいなのを教えてください。

安藝 まず2012年も勝てる体制で1、2フィニッシュをします。もしそんなことが出来たら、その次の年には1、2、3フィニッシュ。そしてその後は海外に行きます。

──海外ですか!?

安藝 アジアのレースがいいなあと思っているんです。ヨーロッパのレースももちろん出たいんですが、目立たないじゃないですか(笑)。ドライバーにとってもチームにとっても、パーツメーカーさんにとっても、今積極的に狙うのはアジアじゃないかと。うまくいけば、ですけどね。チームとは関係なしに、個人的にも興味がありますし。

──24時間耐久みたいなレースは興味ありますか?

安藝 経験してみたいですよね。ファンのみんなも経験したいと思いますし。ただ、ドバイもニュルもルマンも、行くだけで大変なお金がかかるのがネックですね。

──ぜひ、海外展開もお願いします! ところで、GSRは当初ミニカーなどのブランドでレーシングチームとしては考えてなかったとおっしゃってましたが、今ではすっかりSUPER GTのトップチームの仲間入りをしました。

安藝 そうですね。いつの間にかそうなりましたね(笑)。今後も“やりたい”という人がいる限り続けていくと思います。やりたい人を応援していくというのがグッスマの姿勢なので。形が変わるかもしれないけど、当分の間はレース活動を続けていくでしょうね。個人的にもサーキットに行くのは好きだし、ファンのみなさんとワイワイやるのも楽しい。チームが大きくなると事業採算性とかも求められてくるとは思いますが、そういうのもちゃんと合理化して続けられたらと思います。もっとレースを楽しめる場も増やしたいですね。グッ鉄カフェみたいなのを。

 GSR劇場はまだまだ終わらないので、ファンのみなさんも引き続き応援していただけたらと思います。

──ありがとうございました。ぜひこの勢いで世界のレースに挑んでください!

 次ページは2012年シーズン富士戦後のインタビューをお届けする。

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