ソフトのRetina対応はこれから
ただ、このRetinaディスプレイを活かすためには、ソフトの進化も必要になる。iPhoneシリーズでも、iPhone 4で画面がRetina化された直後、サードパーティーのアプリで画面が荒く感じられる現象が起こっていた。しばらくするとアプリ側も画素数を4倍に増やした画像を用意してきて、iPhoneを使う多くのシチュエーションでRetinaのよさを体験できるようになった。
現状でRetinaに対応しているOS X用ソフトは、「Safari」や「Mail」「iCal」「iPhoto」「iMovie」「Final Cut Pro」「Motion」など純正ソフトが目立つ。WWDCの基調講演では、今後「Adobe Photoshop」や「Autodesk AutoCAD」、「Diablo III」といった他社製ソフトがRetina対応を予定していると明らかにしていた。
アップルの担当者によれば、Cocoaベースのアプリなら、文字は自動的に高解像度化されるが、ボタンやグラフィックなどの要素はRetina用に用意し直す必要があるとのこと。
いったん対応してしまえば、Retinaの高解像度を気分よく使える。Final Cut Pro X(FCPX)では、フルHD(1920×1080ドット)の動画を、ドット・バイ・ドットで表示することが可能。デスクトップが1440×900ドット相当でも、FCPXの画面では動画の1ドット=ディスプレーの1ドットに直して表示してくれる。
Apertureも同様に写真をドット・バイ・ドットで表示できる。MacBook Pro Retinaディスプレイモデルと15インチMacBook Proで同じ写真を開いた際、MacBook Pro Retinaディスプレイモデルのほうはピクセル等倍にしてもより広い領域が表示される。さらに、Apertureでは、バージョン3.3にアップデートすると、ライブラリを最高値しくして画像のサムネールがRetina用に微細化される。Apertureではプロジェクトにカーソルをあわせて左右に動かすとプロジェクト内の画像がサムネールで表示されるが、それがより見やすくなったわけだ。