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「MacBook Pro Retina」は“金の卵”となるか?

2012年06月26日 10時00分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)

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 今年のWWDCで発表されたMacBook Proライン新製品「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」が、アップルの業績の底上げにつながるのではないかという分析が持ち上がっている。

「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」

 現在、PC業界は製品のASP(Average Selling Price、平均販売価格)下落に悩まされているが、これは他社と比べてもASPの高いアップルとて例外ではなく、昨年比で数%ほど下落している。MacBook Air/MacBook Pro製品ラインとしてはハイエンドに位置するMacBook Pro Retinaディスプレイモデルは、果たしてアップルの業績向上にどこまで寄与するのだろうか?

MacBook Air/Proシリーズ
平均販売価格の推測

 MacBook Pro RetinaディスプレイモデルとASPの関係について考察記事を出しているのはGigaOMだ。比較グラフはGigaOMの記事を参照してほしいが、アップルの2011年度第2四半期(2011年1〜3月期)におけるMacBook Air/Pro製品の販売台数が275万1000万台なのに対し、1年後の2012年度第2四半期(2012年1〜3月期)の販売台数が281万8000万台とわずかに増えている。

MacBook Air/MacBook Proシリーズの推移
販売台数 売り上げ ASP
(平均販売価格)推測
2011年度第2四半期
(2011年1〜3月期)
275万1000万台 35億3500万ドル
(約2810億円)
1285ドル
(約10万2170円)
2012年度第2四半期
(2012年1〜3月期)
281万8000万台 35億1000万ドル
(約2790億円)
1245ドル
(約9万8990円)

 一方で、同製品ラインの売上は2011年度第2四半期が35億3500万ドル(約2810億円)なのに対し、2012年第2四半期には35億1000万ドル(約2790億円)とわずかに減少している。ここから求められるMacBook Air/ProのASPは、2011年度第2四半期が1285ドル(約10万2170円)で、2012年第2四半期は4%下落の1245ドル(約9万8990円)となる。つまり、販売台数は伸びているのに総売上は落ちており、これがASP下落につながっている。1200ドル(約9万5412円)オーバーの水準こそ維持しているものの、業界全体のASP下落傾向はアップルもまた例外ではないということだ。

 1245ドル(約9万8990円)というASPは、おおよそ13インチMacBook Airの下位モデル(税別価格で1199ドル)の水準に一致する(日本での価格は税別の場合9万7905円。以下税別で表記)。MacBook Air/Pro製品ラインは、999ドル(8万762円)からの「11インチMacBook Air」を筆頭に、「13インチMacBook Air」「13インチMacBook Pro」「15インチMacBook Pro」と並んでいる。ユーザー平均としては13インチMacBook Air/Proあたりの価格帯の製品を所持する割合が高いとみられる。GigaOMの推測によれば、MacBook Air/Pro全体の販売台数のうち、3/4程度が13インチモデル製品だという。

 これらは、あくまで平均値からの推測に過ぎない。しかし、MacBook Air/Pro製品としてのボリュームゾーンは13インチが中心にあり、もし同製品の価格帯の値上げなしにASPを引き上げたければ、上位モデルである15インチMacBook Proの売上を増やすしかない。

 WWDC 2012以前の段階では上位モデルとして「17インチMacBook Pro」が提供されていたが、現在は提供が中止され、事実上15インチMacBook Proが最上位に位置している。同モデルの最低構成価格は1799ドル(14万7429円)とASPよりはかなり上だが、現時点でユーザー比率が大きく変動するとは考えにくく、販売台数増での売上増というのはかなりハードルが高いとみられる。


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