ストリームコンピューティング製品「InfoSphere Streams」を同梱
IBM、大容量非構造化データ処理ソフト「BigInsights V1.4」
2012年06月18日 06時00分更新
6月14日、日本IBMは蓄積された大容量の非構造化データを処理するソフトウェア「InfoSphere BigInsights」の新製品として、ネットワークから転送されるデータをリアルタイム処理するストリームコンピューティング製品「InfoSphere Streams」を同梱した「InfoSphere BigInsights V1.4(BigInsights V1.4)」を発売する。
BigInsightsは、非構造化データの処理に有用という並列分散処理を実現するHadoopの機能を搭載。加えて、スプレッドシート形式の分析ツール「BigSheets」やWebコンソール、エンタープライズレベルのセキュリティー機能を提供する製品だ。そして、今回発表のBigInsights V1.4では、ネットワークから次々に転送されるデータをリアルタイムに処理するストリームコンピューティング機能を併せて提供する。
BigInsights V1.4のHadoopとストリームコンピューティングの2つの処理機能を活用することで、たとえば、クレジットカード会社におけるカード不正使用の検知が可能になるという。その仕組みは次の通りだ。
クレジットカードの不正使用を検知するシステムは、過去の使用履歴やテキストによるログ情報から不正利用のパターンを検知する。そして、顧客がカードを使用するたびに、分析した不正パターンと対象カードの使用履歴とを照合することで、不正使用の可能性を判断する仕組みだ。
このシステムは、蓄積された膨大な過去データからHadoopにより不正パターンを分析。ストリーミングコンピューティングにより、ネットワークから次々に転送されるカード取引情報に対して、不正パターンと使用履歴とをリアルタイムに照合することで実現するというわけだ。
BigInsights V1.4の使用料金は、同梱のStreamsの使用料金を含んだ上で、従来と同料金の111万円から。開発向けには、処理できるデータ容量を20TBに抑えることで低料金にしたスターター・キットを追加した。こちらの使用料金は55万5000円だ。