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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」第93回

野本かりあ×キャプテンミライ “エスエフ”結成記念インタビュー

渋谷系、ネットと出会う 小西康陽から「ボカロP」へ

2012年05月05日 12時00分更新

文● 四本淑三

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Sing Future / エスエフ

Image from Amazon.co.jp
Sing Future

2012年5月23日発売 価格 1260円
発売元 バイバイレコード

1. プロペラソング
2. スプートニク少年少女
3. カレイドスイミング
4. SoFar
5. スプートニク少年少女(riow arai remix)
6. プロペラソング(tofubeats remix)

 カアリイこと野本かりあと、ボカロP・キャプテンミライこと丹治まさみの新ユニット「エスエフ」の1stEP「Sing Future」が、キャプテンミライのプライベートレーベル、バイバイレコードからリリースされる。アナログシンセの音色を多用したエレクトロポップ調のビートに、情緒的表現を抑えながらも疾走感を維持する、稀有なキャラクターのボーカルが合成された、フューチャーロックとでも言うべきサウンドだ。

 1、4曲目は書き下ろしの新曲。2、3曲目はボーカロイドを使用した既発曲のアレンジ版。それに神戸在住の大学生で今や大人気のトラックメイカー・tofubeatsとriow araiのリミックスが加わって、ミニアルバムながらもバラエティーに富み、かつバランスの取れた内容になっている。完全なインディーズ作品ながらメジャー感あふれる出色の出来で、最低限の控えめな表現をしても、キャプテンミライの作品としては最高傑作に違いない。

 が、野本かりあといえば、小西康陽のプロデュースで2001年にデビューした、渋谷系アイコンの一人。一方のキャプテンミライは、ネット音楽に親しんだ我々にはなじみ深すぎて、今日から彼女のカウンターパートですと言われても、なんだかしっくりこない。

 このミニアルバムのジャケットを描いた漫画家の本 秀康(もと ひでやす)さんも、エスエフのリリースに際して以下のようなツイートをしている。

"野本かりあさんとキャプテンミライのエスエフ、1stミニアルバムのジャケを描きました。キャプミラは20年くらい前からの友達で、その彼が僕の憧れのカアリイとユニットを組むと知って嫉妬で狂いそうでしたが、ジャケを描かせてくれたので許そう!"

 ジャケットを描いたわけでもないその他大勢の我々としては、どう許せばいいのだろう。いったい何が起こってこうなったのか。そういう切り口から、まずこの取材はスタートする。

「でも私、売れたいからやろうと思ってない」

―― 野本さんは、キャプテンミライがどういう人物かは御存知ですか?

カアリイ うーんと、私が知っているので合ってる?

キャプミラ あの、別に何も隠してないですから。

―― 殿堂入りって分かりますか? ニコニコで動画の再生回数が10万回を超えるとそう言われるんですが。

カアリイ 曲が、ってこと?

―― そうです。100万回を超えるくらいでメジャーの人が手揉みしてやって来ます。が、この人は殿堂入りすら1曲もありません。よく言えば無冠の帝王。当たり前に言えば、ボカロPとしては決して成功していません。

カアリイ ははははは! バッサリ斬られましたけど。

100万回を手で表すキャプミラさん

キャプミラ ……あの、今日はそんな話をするんですか。100万再生というのはですね……あれ、幻想なんじゃないかなぁ?

―― 色々言っていますが、もし野本さんが「この人と一緒にやれば世界的に売れるかも!」とか思っているのであれば、それは大間違いです。

キャプミラ なに落としてるんですか!

カアリイ あ、でも私、売れたいからやろうと思ってない。面白いことができたらいいなって。そんなメジャーとか興味ないし。私、ボカロはあんまり詳しくないんだけど、丹治くんの作る曲は人間っぽい息遣いが聴こえるというか。メロディーもキャッチーだし。

―― 事務所の人から何か言われたりしませんか。こんなどこの馬の骨とも分からないボカロPとやることについて。

キャプミラ 馬の骨!

カアリイ 音楽に関してはまるきり任せてもらってます。モデル事務所なんですけど、そういうゆるいところで。

―― この男をそんなに信頼して大丈夫なんでしょうか。

キャプミラ いやいや、大丈夫でしょう! ぜんぜん大丈夫ですよ!!

―― 僕らからすると、出来損ないの息子が分不相応ないい嫁もらった、よくぞでかした、みたいな感じなんですけど。

カアリイ お父さんですか?!

お上品に笑う野本かりあさん

―― という視点でも素直に喜べないので、エスエフに対する反応をTwitterで検索してみたら、一部で「カアリイの無駄使い」という、まあ想像通りの言われようで。

カアリイ はっはっは! その人って丹治くんがどんな人か知ってるんですかねぇ?

―― いいえ。ただ世間的に言うと、これは格差婚みたいなものなので、お笑い芸人と有名女優みたいなものですし、僕もそう思います。

キャプミラ もうホントに今日は落としてきますね! あのですね、面白いのは、そのカウンターっぷりですよ。

「カウンターっぷりが面白い」と力説するキャプミラさんと、「そうなんだ」と聞いている野本さん

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