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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第90回

スレートPCでテスト Windows 8のタッチ機能は快適か?

2012年04月26日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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 なぜこのような大幅な改変が行なわれたかと言えば、もちろんMetro Style UIの導入のためである。Metro Style UIは「Windows Phone」でも使われているものだが、確かにこちらはとにかくタッチで使いやすい。細かいボタンをタップする必要もなく、階層も浅いので、直感的な理解も可能だ。動作もびっくりするくらい軽い。

 ただし、「正常に動作しているとき」はというエクスキューズはつく。テスト環境ではアプリ起動などに失敗することがあり、それがストレスの元になった。製品版に近くなれば問題はなくなるだろうから、これはここだけのマイナーな問題にとどまると見るべきだろう。

 Metro Style UIは、11.6型というテスト機の画面サイズにはぴったりだ。逆に言えば、大きなディスプレーだとそのままでは間延びする可能性もある。しかし、Windows 8がUIコンポーネントの解像度変更により柔軟に対応することになるため、「Metro的」に使う分には問題になるまい。

Metro Style UIの代表格、「Internet Explorer 10」のMetro版。全画面ですっきりと使えるのが特徴。動作もこれまでのIE以上に素早い

Metro Style UI上でもきちんとタブ操作は可能。シンプルなUIで、操作感はなかなかいい。タブレット用のウェブブラウザーとしてはトップクラスの出来と感じる

 Metro Style UI上では、マイクロソフトのオンラインサービスである「Windows Live」との連携が強化されている。メールやメッセージングなどの機能は、Windows Liveのアカウントを取得して利用するのが前提になっており、それに最適化された使い勝手となっているためだ。

 Windows Liveで使う「Microsoftアカウント」を登録しない場合、ローカルアカウントで(従来のWindowsと同様のアカウント)でも使えるし、実際にはメールなどの基本機能については、グーグルなど他社サービスを使うこともできるようになってはいる。だが、IDを取得すればそれですべて連携できるというわかりやすさは、1社で統合しているゆえの良さであり、やはりWindows LiveをつかってこそのWindows 8、と思える。

 特に、今後Metro Style UI用のアプリを入手するには、Windows Liveと紐付いた「Windows Store」を利用する必要がある。となると、実質的にMicrosoftアカウントは必須なのだ。また、各種設定やお気に入りの情報など、Windowsの設定にかかわる項目の多くがLiveサービス上にバックアップされるため、この点でも必須といえる。

一見普通のMetro Style UIに見えるが、実はこれ、Windows Liveにログインしていない、ローカルアカウントで使った状態のもの。右上のアカウント表示がWindows Liveアカウント利用者の名前になっていないことに注目

コントロールパネル内の「ユーザー」に、PCにログインしているローカルアカウントとWindows LiveをMicrosoftアカウントで紐付けるための設定がある

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