なぜこのような大幅な改変が行なわれたかと言えば、もちろんMetro Style UIの導入のためである。Metro Style UIは「Windows Phone」でも使われているものだが、確かにこちらはとにかくタッチで使いやすい。細かいボタンをタップする必要もなく、階層も浅いので、直感的な理解も可能だ。動作もびっくりするくらい軽い。
ただし、「正常に動作しているとき」はというエクスキューズはつく。テスト環境ではアプリ起動などに失敗することがあり、それがストレスの元になった。製品版に近くなれば問題はなくなるだろうから、これはここだけのマイナーな問題にとどまると見るべきだろう。
Metro Style UIは、11.6型というテスト機の画面サイズにはぴったりだ。逆に言えば、大きなディスプレーだとそのままでは間延びする可能性もある。しかし、Windows 8がUIコンポーネントの解像度変更により柔軟に対応することになるため、「Metro的」に使う分には問題になるまい。
Metro Style UI上では、マイクロソフトのオンラインサービスである「Windows Live」との連携が強化されている。メールやメッセージングなどの機能は、Windows Liveのアカウントを取得して利用するのが前提になっており、それに最適化された使い勝手となっているためだ。
Windows Liveで使う「Microsoftアカウント」を登録しない場合、ローカルアカウントで(従来のWindowsと同様のアカウント)でも使えるし、実際にはメールなどの基本機能については、グーグルなど他社サービスを使うこともできるようになってはいる。だが、IDを取得すればそれですべて連携できるというわかりやすさは、1社で統合しているゆえの良さであり、やはりWindows LiveをつかってこそのWindows 8、と思える。
特に、今後Metro Style UI用のアプリを入手するには、Windows Liveと紐付いた「Windows Store」を利用する必要がある。となると、実質的にMicrosoftアカウントは必須なのだ。また、各種設定やお気に入りの情報など、Windowsの設定にかかわる項目の多くがLiveサービス上にバックアップされるため、この点でも必須といえる。
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