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仕事と生き方を変える、著名人の意見 ― 第8回

アナタのメールコミュニケーションは大丈夫?

今さら聞けない敬語の正しい使い方

2011年11月14日 09時00分更新

文● 松原和枝

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※この記事は松原和枝氏のメールマガジン「【週刊】メールコミュニケーションの処方箋」(「ビジスパ」にて配信中)から選んだコンテンツを編集しお届けしています。

 ビジネスメール上での敬語の使い方は、社会人経験と共に自信をつけて行かれる方が多いと思います。その一方で、どちらの表現を使うべきか曖昧なまま、あるいは何となくこの書き方に違和感を覚えたままで使っている表現も、皆さま、1つ2つ心覚えがあるのではと思います。今回はそのような「いつか、誰かに正しい使い方を聞いてみたかった!」という敬語の表現を取り上げて解説してまいります。

“くださる”か“いただく”か?

 最初は、「くださる」と「いただく」の使い分けです。まず「くださる」は「くれる」の尊敬語です。

 ○AさんがB社のサンプリング商品をくださいました。

 この使い方には、皆さまも何ら疑問を抱く点はないと思います。さらに「くださる」は、行為者を立てるという一般の尊敬語の働きに加え、「その相手から恩恵が与えられる」という意味も併せて持ちます。

 ○取引先の方が丁寧に指導して下さいました。

これは、「指導してくれたという行為が自分にとってありがたいことだ」というニュアンスを含みます。

 一方、「いただく」は「もらう」の謙譲語です。

 ○AさんからB社のサンプリング商品をいただきました。

 この使い方にも、皆さまも何ら疑問を抱く点はないと思います。そして「いただく」も、従来の自分をへりくだって表現する意味に加え、「自分が恩恵を受ける」という意味も併せて持ちます。

 ○取引先の方に丁寧に指導していただきました。

 これは「指導してくれたという行為が自分にとってありがたいことだ」というニュアンスが含まれます。

 「くださる」も「いただく」も、相手からの何かの行為により自分が恩恵を受けたという意味を含むのです。

ビジネスパーソンが悩む表現

 そして、多くのビジネスパーソンが「くださる」「いただく」どちらを用いるべきか、とても悩む表現は、次のような状況の場合ではないでしょうか。

 資料をお送りくださり、ありがとうございました。

 資料をお送りいただき、ありがとうございました。


 ご理解くださいます様、お願い申し上げます。

 ご理解いただきます様、お願い申し上げます。

 皆さまは、正しい根拠に基づいた使い分けをされていらっしゃいますか?

“行為の主体は誰か?”を考える

 まず「行為の主体は誰なのか?」を考えます。

 「くださる」は「くれる」の尊敬語であり、「くれる」という行為の主体は「自分」ではなく「相手」ですよね。

そして上記2文において「資料を送る」「理解する」という行為の主体は「相手」です。したがって通常は、

 ○資料をお送りくださり、ありがとうございました。

 ○ご理解くださいます様、お願い申し上げます。

と「くださる」を用いることが正しい表現といえます。

 しかしその一方で、感覚的に「いただきます」を用いた方が正しいのではと感じる状況もあるのではないでしょうか。

 その感覚は間違っていません。なぜなら立てるべき対象は,どちらも同じであり、また自分が恩恵を受けるという認識を表す点も同様だからです。

 ただし「いただく」は謙譲語であり、「自分」を起点として表現する言葉なのです。

 したがって、自分が相手に対して依頼や説得など「主体的な働きかけ」をしたことで、相手が資料を送った、理解したなどの行為に及んだ場合は、

 ○資料をお送りいただき、ありがとうございました。

 ○ご理解いただきます様、お願い申し上げます。

が正確にそのニュアンスが伝わるので適切といえます。

 より簡単な使い分けの基準としては、

 その行為は、相手が自発的に行ったものか(→「くださる」)、

または、

 皆さまの意図や意志によって相手が行ったものか(→「いただく」)。

で判断されると間違いないでしょう。

 敬語の表現においては、どちらが適切か、どちらが丁寧か、という判断や感じ方の個人差が大きいですが、少なくとも不安を持たずに適切な敬語を都度用いてコミュニケーションを行いたいものです。

【処方箋】

相手が自発的に行った行為には「くださる」

自分が働きかけて相手が行った行為には「いただく」

~使い分けの明確な基準を正しく理解しよう!~

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