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小型PCだって十分イケる! Mini-ITX入門 第2回

ゲームやエンコードもOKな高性能Mini-ITXを自作!

2011年10月04日 12時00分更新

文● 宇野 貴教

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せっかくなのでゲームもやろうぜ!
ビデオカードも積んでみた

 CPUパワーを底上げしたことにより、ゲームもやや快適にプレイできるようになったはずだ。とはいえ、ビデオカードを搭載しないと、やはりすべてのゲームが快適に動作するわけではない。というわけで、次はビデオカードに食指が動いてしまうのは言うまでもない。せっかく空いているPCI Express x16スロットを埋めるためのビデオカードを選定しよう。

写真上のような大きなビデオカードはMini-ITXケースには収まらない。フルハイトのビデオカードならミドルクラスまでが大きさ的に限界。写真下はLowProfile対応のローエンドカード。これなら大きさを気にせず搭載できる

ミドルレンジ以上のビデオカードには補助電源が必要になる。100W以上の電力が要求されるのでMini-ITX向けの電源だと厳しい。Mini-ITXでは、補助電源不要のビデオカードを選ぶのがキモとなる

 外部電源を必要とするミドルレンジ以上のビデオカードは、スペックが低めでも100W程度の電力を消費するため、電源容量や排熱性能が低いMini-ITX向けケースでは搭載が厳しい。安全策を取るなら、外部電源のないローエンドを中心にチョイスすることになる。このクラスだと最新FPSゲームを高解像度でグリグリ動かすには力不足なので、Mini-ITXによるゲームマシン自作は、軽めの3Dゲームやカジュアルゲームをメインにプレイする人向けと言える。ビデオカードを追加するとそのぶん消費電力が増えることになるので、ここで紹介するビデオカードを追加するなら、350~400W程度の容量を持つ電源を準備したい。

外部電源は必要なし
R6670 Twin Frozr SE V2

●URL:http://www.msi-computer.co.jp/VGA/R6670_Twin_Frozr_SE_V2/
●実売価格:1万円前後

外部電源のないローエンドモデルということもあり、ビデオカードとしてはコンパクトなパッケージサイズ

フルハイトかつ2スロット仕様なので、カードサイズはかなり大きめ。搭載するケースのビデオカード周辺スペースに余裕があるか注意したい

 GPUにRadeon HD 6670を搭載するビデオカード。Radeon HD 6670は、外部電源を必要としないRadeon HD 6xxxシリーズの中で、最もスペックの高い製品である大型のクーラーを搭載するフルハイトかつ2スロット占有仕様なので、ケースのビデオカード付近に十分なスペースがあるか注意したい。

デュアルファン仕様だが、ファン回転速度は低めなのでファンノイズはあまり気にならない

出力コネクタはHDMI、DVI、D-subの3つ。GPUの熱を外部に逃がすためのスリットがある

LowProfile対応モデル
R6570 Twin Frozr Mini 1G

●URL:http://www.msi-computer.co.jp/VGA/R6570_Twin_Frozr_Mini_1G/
●実売価格:8000円前後

パッケージは他のMSI製品と共通。シンプルでコンパクトなサイズ

LowProfile対応モデルなのでカードサイズは小さい。どんなケースにも搭載できる

 GPUにRadeon HD 6570を搭載するビデオカード。消費電力は50W以下でパフォーマンスと低消費電力を兼ね揃えた、Mini-ITX向きのビデオカードである。LowProfile対応モデルなので、スリムケースにも対応できるのがうれしいところだ。

カードのほとんどがヒートシンクで覆われている。ファンは小型だがデュアルファンで冷却性能を高めている

写真はフルハイト用のブラケットを装着している。LowProfile用はD-subのみ別ブラケットになる

消費電力は20W以下
R6450 MD1GD3 LP

●URL:http://www.msi-computer.co.jp/VGA/R6450-MD1GD3_LP/
●実売価格:5500円前後

MSIローエンド向け共通のパッケージ。製品名部分以外は、他のモデルとほぼ同じだ

カードの長さはPCI Express x16のスロットとほぼ同じ長さ。どんなケースでも装着できるだろう

 Radeon HD 6xxxシリーズの中のエントリモデルに位置するRadeon HD 6450を搭載する。消費電力は20W以下と低いが、3D描画能力はさほど高くない。動画再生支援追加やデュアルディスプレー環境構築のためのビデオカードと言える。

低消費電力ということもあり、ファンだけでなくヒートシンクも小さい

低価格カードだが、出力コネクターは3種類揃っている。デュアルディスプレーも可能だ

出力は3系統装備
N520GT-MD1GD3 LP

●URL:http://www.msi-computer.co.jp/VGA/N520GT-MD1GD3_LP/
●実売価格:8180円前後

Radeon HDシリーズのモデルと同じデザインのパッケージを使用している

カードサイズはPCI Express x16スロットよりもやや長い程度

 こちらはNVIDIAのエントリーモデルGPUであるGeForce GT520を搭載するビデオカード。3D描画能力は低いが、軽めのカジュアル3Dゲームの速度アップが目的ならば選択肢に入るだろう。

R6450 MD1GD3 LPと比較すると、ヒートシンクはこちらが若干大きい

出力コネクタはHDMI、DVI、D-subの3種類をすべて完備

ビデオカードを積んでベンチマークを計測!

 Mini-ITX向けのビデオカードを紹介したところで、CPUアップグレード済みのスタンダード構成に、これらビデオカードを装着したときのベンチマークテストも掲載しよう。計測したベンチマークは、FutureMarkの定番ベンチマークソフト「3DMark 11」のPerformanceプリセットに加え、ビデオカードスペックに合わせたちょっと古めのゲーム系ベンチマークとして、カプコンの「BIOHAZARD 5ベンチマーク」をチョイスした。
 BIOHAZARD 5ベンチマークの設定は、「解像度:1280×720」、「アンチエイリアス:4X」、「モーションブラー:オン」でそのほかはデフォルトとなっている。

ベンチマークは「3DMark 11」と「BIOHAZARD 5ベンチマーク」でテストした

ビデオカード 3DMark11(Score) BIOHAZARD 5(fps値)
R6670 Twin Frozr SE V2 1862 83
R6570 Twin Frozr Mini 1G 1389 59.3
R6450 MD1GD3 LP 527 21.9
N520GT-MD1GD3 LP 673 27.4

R6670かR6670なら3Dゲームも十分可能

 結果を見ると、3Dゲーム目的ならR6670がまずまずの結果を残している。もちろん最新のヘビーなFPSゲームだと厳しいが、解像度や画質設定を落とすといった工夫で対処できるレベルだ。R6670も軽めの3Dゲームメインならば十分選択肢に入るスコアである。LowProfileのみ対応のケースであれば、これを選択したい。R6450とN520GTは3Dゲーム向けとしては厳しいスコアだ。3Dゲームよりも、動画再生支援機能やデュアルディスプレー構築をローコストで手に入れるためのビデオカードと言える。

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