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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 ― 第69回

そば屋になぜかシンセが並ぶ、謎の大阪“シンセ界”をゆく

2011年08月27日 12時00分更新

文● 四本淑三

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こちらが本当の大阪“新世界”。本記事で追うのは謎の“シンセ界”である

 新しいシンセサイザーの拠点が、大阪のある地区を中心に形成されつつあることを、あなたはご存知だろうか?

 そんなのもちろん知ってるぜ!

 なんて言われると正直困ってしまうよなあ。と、最初の一行を書きつつ、ほんの数日前までそんな事実を全く知らなかった私は思ったわけだが、どうなんだろうか。

 最初に異変を確認したのは、シンセサイザー関連書籍の古本屋「ビオンボ堂」のブログである。シンセサイザーがメインというニッチすぎる古本屋が大阪にある。これは一体何のつもりで営業しているのか、ぜひ店主を捕まえて問いただしてみたい。たとえ偏屈な怖い人であったとしても、それは覚悟の上だ。

シンセな異変その1、古本屋「ビオンボ堂」。シンセサイザーがメインという前代未聞の古本屋

 だが、これしきのことでASCII.jpから大阪への取材費が出るようなことはありえない。そんなことがあろうものなら、地球の自転軸がひっくり返るような、北極のしろくまさんと南極のペンギンさんの立場が入れ替わるような、そんな異変である。だからビオンボ堂のことはしばらく気にしないように努めていたのだ。

 ところが最近になって、「電氣蕎麦」(でんきそば)という強烈なお店の存在が確認されてしまった。店内には何台ものヴィンテージシンセが置かれ、それがノイジーなBGMを奏でているらしい。それでも店はあくまで“そば屋”。なんなんだそれは。「KAOSSILATOR」の企画で知られ、無類のそば好きでもあるコルグの坂巻匡彦さんも、会社の先輩から「おまえ蕎麦好きなら行っとけ」と言われたのだそうだ。

シンセな異変その2、「電氣蕎麦」。なぜかそば屋にシンセサイザーが並んでいる謎の店

 さらに大阪には「implant4」という、アートギャラリーと中古シンセ屋を兼ねたショップもあるという。ギャラリーにシンセという取り合せも面白いが、縮小傾向にある中古シンセ市場にあって、新しいショップ自体がレアだ。そういえばアナログシンセビルダーズサミットでおなじみの、新興シンセメーカー「REON」も大阪ではないか!

 いったい大阪では何が起きているのか。我々が知らぬうちに、新世界ならぬシンセの聖地“シンセ界”が誕生していたとでもいうのだろうか?

よく見てみれば、本物の“新世界”ロゴも意外とシンセっぽいではないか!

 そんなつまらないことを言っているうちに奇跡が起き、ASCII.jpから取材費用が出ることになった! 折しも世間はお盆休み。担当編集の盛田くんは四国を旅行中で、コルグの坂巻さんも関西にいる。よって私一人分の交通費だけで、3人揃って取材できるから安あがりという事情だが、こうなるとしろくまさんとペンギンさんの行く末、すなわち世界のピンチについて案ぜざるを得ないわけだが、それはさておきだ。

 大阪駅「時空(とき)の広場」で合流した我々3人が、当日の行動計画を確認したところ、驚くべき事実が判明した。取材前に確認しとけよと思わないでもなかったが、今回の取材場所はなぜか、天満界隈に集まっているのだ。3軒はどこも徒歩圏のご近所さん。これは一体何を意味しているのだろうか?

大阪駅「時空の広場」ではしゃいでいる2人。緑シャツが坂巻さん、白シャツが盛田くんである

 我々は「食べログの評価が高かったんで~」などと言う盛田くんの案内に従い、老舗「千草」でお好み焼き屋をいただいた後、さっそく調査を開始することにしたのであった。

世界初公開! これが伝説の“シンセ界”マップだ!!


より大きな地図で 大阪シンセ界 を表示

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