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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第33回

GoogleとMSがスマホ特許で交戦 苦しくなったGoogle

2011年08月10日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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 スマートフォンで対立するGoogleとMicrosoftが、スマホ特許についてオンラインで公に口論している。特許を武器とした組織的ないじめだと主張するGoogleに対し、Microsoftが主張の矛盾を突き、証拠の電子メールまで公開。同情を買おうと始めたのはGoogleだが逆効果だったようだ。

MS、Oracle、Appleはインチキな特許を武器にしていると
Googleの幹部がまず主張

 経緯を説明すると、8月3日にGoogleの最高法務責任者兼上級副社長のDavid Drummond氏が公式ブログにて、Androidは特許攻撃を受けていると訴えた。Drummond氏はここで、Microsoft、Oracle、Appleの3社を名指しで非難し、Androidの成功をねたんだ企業が「チームを組み、インチキな特許を武器にして悪意あるキャンペーンを展開している」と主張した。

今回の騒動の始まりとなったGoogle公式ブログでの主張。Microsoft、Oracle、Appleといった企業が“インチキな特許”(bogus patents)で反Androidキャンペーンをしていると主張する

 3社はNovellの特許を取得したCPTN Holdings(Microsoft、Apple、Oracleが参加)、Nortel Networksの特許を取得するRockstar Bidco(Microsoft、Appleが参加)などの企業連合を組んでは特許を取得し、Googleの手に渡らないようにしたという。その一方で、Android端末に対し、1台当たり15ドルのライセンスを求めることで「Windows Phone 7」よりも割高にし、さらにAndroid端末メーカーを相手取って訴訟まで起こしているというのが主な主張だ。

 こうした上で、「我々も愚かではない」とし、自社事業にフォーカスして製品改善に努めると同時に、「Androidを握りつぶそうとする動きを阻止する」と語る。具体的には、Nortelの特許取得について米司法省に対し調査を求め、同時に自社特許ポートフォリオも強化していくという。

それに対して、MS関係者もすぐさま反論
「Googleも仲間に誘ったんだが、ノーと言われた」

 このように、Googleは悲痛な訴えを行なったわけだが、これにMicrosoftがすぐに噛み付いた。

するとMS側も反論。「一緒に入札しようと尋ねたのにノーと言われた」とTwitter上で発言

 まずは、各種の訴訟でおなじみのMicrosoftの法務顧問、Brad Smith氏がTwitterで、Novellの特許取得にあたり「共同入札を誘った。Googleがこれを断った」とツイート。立て続けに、コミュニケーション担当のFrank X. Shaw氏が、Googleの法務顧問兼上級副社長、Kent Walker氏による電子メールへのリンクを張った。メールの日付は2010年10月28日。ここでWalker氏は、Novellの特許入札を丁寧に断っている。

さらには断わりのメールのスクリーンキャプチャーまで貼り付けられた

 これを受け、Drummond氏はブログをアップデートし、Novellの共同入札に加わらなかった理由として、「Microsoftの目的は、GoogleとAndroid端末メーカーが防御のために特許を主張できないようにすること」だったからと言い返した。つまり高い料金を払って参加しても、防御のために特許を利用できないというワナだった、だから参加しなかったのだと言いたいようだ。

 だがShaw氏は黙っていなかった。再びTwitterにて、GoogleがNovellの共同入札に参加しなかったのは、「Googleは、他社に対して主張できるものを取得したがった」からであり、「Googleは他社と提携して業界全体の特許責任を軽減すること」に加わらなかったと攻撃した。

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