映像のぼやけ感なくすっきりと再現する
精細画質のオンキヨー「TX-NA579」
オンキヨーのTX-NA579は、今回もっとも安価ではあるが、4入力/1出力のHDMI端子や、各チャンネル100W出力の7chアンプ内蔵など、基本的な性能では見劣りは少ない。GUIも入力ソースの映像にオーバーラップして表示されるので、快適に操作が行なえる。
高性能な映像処理回路を備えており、明るさやコントラストの調整といった基本的な画質調整機能に加え、「シネマ」「ゲーム」といった画質モードまで備える多機能さを持つ。入力信号や出力信号の確認もGUIで容易に行なえるので、きちんと480pのSD映像が1080pでテレビに出力されているかどうかの確認もしやすい。
まずはSDソースの映像を確認してみた。チェックした映像は、ビル街を映したもので、直線的に並ぶビルのエッジでジャギーなどが目立ちやすい。もちろん、ジャギーの発生やビルの窓枠が不自然に太くなるような輪郭強調による違和感も少ない。
基本的にすっきりとしていて見通しがよく、忠実でストレートな映像だ。動きによる違和感や、I/P変換による動きのブレなども少なく、見やすくノイズ感の少ない映像は十分な実力だ。
続いて、「プレイステーション・ポータブル」(PSP)の信号をD端子出力ケーブルでチェック。SD解像度の動きの速い映像ではMPEGノイズが出てしまうが、これはほかのモデルもほぼ同様。
解像感もやや甘いがそれほどぼやけた印象にはならない。コントラスト感の高さも影響しているだろう。SD映像のさらに半分ほどの解像度となるゲーム画面はさすがに少々甘さを感じるが、文字がぼやけて見づらいことはなく、くっきりとした映像として再現した。
ゲームもプレイしてみたが、若干文字の周囲には輪郭の強調感を感じるが、拡大するとわかる程度でほとんど気にならなかった。
映像の表示遅延はほとんど感じられない。映像処理についてはかなりさまざまな処理を行なっているようだが、表示の遅延についてもきちんと対策されているようだ。映像と音のズレもなく、きちんと揃えている。映像と音の両方を統合して処理するAVアンプならではだろう。
PSPのズーム機能がないのは残念だが、SD出力のゲーム機ならば遅延の影響を心配することなく、高画質・高音質でゲームを楽しめるだろう。
音質のよさがゲームのプレイに貢献
正直なところ、音質については価格差がダイレクトに反映された印象になってしまうし、今回の趣旨から外れるのであまり細かく言及するのは控えるが、最後に音質についても少しだけ紹介しよう。
今回はステレオ再生でテストしたが、映像と同様こちらもソースの情報をストレートに再現する印象。細かな情報まできちんと再現するので、主に高域のエコー感やスネアドラムの響きの余韻なども明瞭に聴こえた。
当然ではあるが、ベースラインやリズムの動きもはっきりと聴こえるので、リズムゲームのプレイではかなり助けになる。リズムゲームの場合、表示遅延の問題も大きいが、案外再生される音質の向上が、ゲームのプレイに大きく貢献してくれることも発見だった。
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