狭いワンルームで、劇場の感動を味わうための方法とは?
さっそく、ヤマハの「YSP-2200」を紹介しよう。本体は、橋のように細長い形状をしたスピーカー部と、低音専用のサブウーファー部のわずか2つで構成されている。
スピーカー部はテレビの手前に、サブウーファー部はテレビラックの脇など部屋の邪魔にならない場所に置く。これだけで本格的な7.1chの再生ができてしまう。何個もスピーカーを置けない、ワンルームの狭いスペースでサラウンドを実現したいという人にはうってつけのシステムだ。
なお、今回は“ワンルームで劇場体験”がテーマなので、特別な試聴室は使わず、太田クンの部屋と同じ8畳間程度の会議室で試聴することにした。
太田 「スピーカーはずいぶん横幅が長い印象ですが、40V型の薄型テレビの横幅とほぼ揃うので、置き場所には困らないですね」
鳥居 「スピーカーの脚(インシュレーター部)も案外高さがあるから、テレビのスタンドの部分をまたいで設置できるんだよ」
太田 「サブウーファーはタテ置きがいいんですか?」
鳥居 「このサブウーファーは、タテ置きとヨコ置きのどちらでも使える。テレビラックのスペースに空きがあるなら、BDレコーダーのようにヨコ置きしてもいいし、逆にラックがいっぱいなら、そのラックの脇にタテ置きすれば邪魔にならない。部屋に合わせて自由にレイアウトできるようになっているんだ」
太田 「このシステムなら、自分のワンルームにも余裕で置けそう。これで本当に本格的なサラウンドが楽しめるならば、まさに理想的ですけど」
鳥居 「まだ疑ってるみたいだね。ならばさくっと接続して音を聴いてみよう」
接続は極めて簡単! テレビとの接続はHDMIケーブル1本だけ
今回はヤマハの「YSP-2200」のほか、薄型テレビとして東芝の「40RB2」をお借りしている。東芝の「40RB2」はBDプレーヤーを内蔵したモデルなので、BDレコなどを追加せずにBDやDVDソフトの再生ができる。
また、東芝の「レグザリンク」はヤマハの対応AV機器をHDMI接続すれば、テレビのリモコンだけでヤマハ側のAV機器の基本的な操作ができるなど、使い勝手の点でもバッチリだ(「YSP-2200」は東芝だけでなく、パナソニック、ソニー、シャープ、日立、三菱の主要なテレビのHDMIリンクにも対応している)。
鳥居 「さっそく接続してみよう。といっても、『YSP-2200』のスピーカー部とサブウーファー部を付属のスピーカーケーブルで接続した後は、テレビのHDMI入力と『YSP-2200』のHDMI出力を接続するだけでOK」
太田 「スピーカーケーブル1本とHDMIケーブル1本の計2本だけって、めちゃくちゃ簡単ですね」
補足説明しておくと、「40RB2」と「YSP-2200」の接続はARC(オーディオ・リターン・チャンネル)機能を活用している。本来の接続は、BDプレーヤー→「YSP-2200」→薄型テレビという順番で接続するのでHDMIケーブルが2本必要になる。
ところが「40RB2」はBDプレーヤーを内蔵しているので、ケーブルが1本で済む。「YSP-2200」の出力から「40RB2」の入力に入れているから、「40RB2」内蔵のBDプレーヤーの信号を送れないのでは、と思う人もいるだろう。その信号伝送を行なってくれるのがARCなのだ。
内蔵BDプレーヤーの信号を送るだけでなく、「40RB2」のチューナーで受信した地デジ放送などのデジタル音声を「YSP-2200」に送ることもできるから、以前のAV機器のように、テレビ用の音声を送るためにデジタル信号ケーブルを接続する必要がないのだ。
実は後で説明するようにちょっとした制限があるのだが、配線がケーブル1本で済んでしまうから、AV機器の配線が難しいと思う人でも安心して使えるのは魅力だ。
さらに付け足すと、「YSP-2200」のサブウーファーは電源不要なパッシブ型なので、必要な電源コンセントの数も、テレビと「YSP-2200」の2つだけで済む。