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Apple Geeks 第35回

iOS 4.3「AirPlay」とDLNAで「Apple TV」を活性化

2011年04月19日 22時00分更新

文● 海上忍

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 本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。

 UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。

Apple TVの可能性を広げるAirPlay

 昨秋発売されたネットワークメディアプレイヤー「Apple TV」(2代目)は、iTunes(Mac/Win)との併用が前提条件としてある。

 確かに、直接iTunes Storeから映画をレンタルできるし、YouTubeのビデオも閲覧できるが、大容量ディスクを内蔵していないため映画はダウンロード購入できず、付属のリモコン「Apple Remote」では日本語名のビデオを検索できない。

2代目「Apple TV」(8800円)

 しかし、iPhone/iPod touch/iPadなどのiOSデバイスがあれば話は別だ。リモコンアプリ「Remote」を使えば、iTunesライブラリーを操作できるだけでなく、「AirPlay」でビデオ/オーディオの出力先をApple TVに変更できる。iTunesとApple TVへの同時出力も指示できるため、テレビは映像のみ、音声はMac/Winに接続した高性能USBオーディオから出力、といった使い方も可能だ。

「Remote」最新バージョンの設定画面。AirPlayのリスナー機器(スピーカー)が自動検出される

複数のAirPlayスピーカーへ同時出力できる。音声はApple Losslessで転送される

 言い換えれば、Apple TVの使いこなしはiOSデバイス次第、AirPlayの活用度合いにより変わってくる。特にiOS 4.3以降では、サードパーティー製アプリもAirPlay経由でのビデオ出力が可能(以前はオーディオのみ、ビデオ出力不可)になったことから、使いこなしの余地はさらに広がったともいえる。

 そしてAppleが推奨するiTunes共有/ホームシェアリング以外の共有環境、たとえばDLNAのクライアントからAirPlayできるようになったとすると……Apple TVの可能性は一層広がる。今回は、そのような使い方を可能にするDLNA系のサーバー/クライアントを紹介してみよう。

Remote
作者 Apple 価格無料
ファイル容量14.8MB カテゴリエンターテインメント
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 3.1.2以降

まずは定番「PS3 Media Server」

 最近発売されたビデオレコーダーや薄型テレビの多くにはDLNAサーバーが搭載され、録画した地デジなどのコンテンツをDLNAクライアントから視聴できるようになった。しかし、著作権保護されているコンテンツの再生にはDTCP-IP対応のDLNAサーバー/クライアントが必要であり、残念ながらMacとiOSのどちらにも対応製品は見当たらない。

 しかし、(著作権保護されたものを含まないという制約はあるが)MacでDLNAサーバーを稼働させれば、豊富にあるDLNAクライアントからMac上のコンテンツを視聴できるようになる。AV機器やWindowsマシン、Androidなど非Apple製品とビデオ/オーディオリソースの一本化を図るのであれば、iTunesベースの共有環境より柔軟に運用できる。

 「PS3 Media Server」は、そのような用途に適したDLNAサーバーだ。その名のとおり、PS3(に搭載されたDLNAクライアント)を主対象としたサーバーソフトだが、他のDLNAクライアントでも視聴できる。iTunes/iPhotoライブラリーを公開する機能も備えているので、Mac上の音楽や写真をいろいろな機器で楽しむにはピッタリといえる。

PS3 Media Server」の起動後にPS3を検出できない場合、1〜2分後にこのような警告が表示されるが、一般的なDLNAクライアントでも接続できる

 PS3 Media Serverの目玉機能は、WMVやDivXなどさまざまなコーデックをMPEG-2にリアルタイム変換する「トランスコーディング」だ。これはMPEG-2で視聴するPS3向けで、残念ながらMPEG-2の再生に対応しないiOSデバイスでは意味がない。しかし、iOSが標準サポートするビデオコーデック(H.264/MPEG-4/M-JPEG)であればトランスコーディングの必要がないので再生できるし、オーディオや静止画の再生には十分使えるので、Macで動くDLNAサーバーとしては有力な選択肢となるだろう。

後述するDLNAクライアント「PlugPlayer」でPS3 Media Serverの領域へアクセスしたところ。標準設定では「/」以下の全体が公開される

(次ページへ続く)

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