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Apple Geeks ― 第93回

「Apple TV」に見る「Appleのワイヤレス戦略」

2012年10月05日 11時00分更新

文● 海上忍(@u_shinobuTELAS

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 本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。

 UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。

「Apple TV」という製品に隠された意図

 「iOS 6」と「iPhone 5」の影に隠れる形となってしまったが、「Apple TV」のファームウェアが「v5.1」にアップデートされた。対象機種は第2世代と第3世代、オンライン経由でのアップデートとなる。作業完了後、ファームウェアのバージョンは「5.1(5201)」、OSビルドバージョンは「6.0(10A406e)」に更新される。

「Apple TV」

 主要な新機能は3つ。指定した写真を他のApple ID保有者と共有できる「共有フォトストリーム」のサポートと、Apple TVから他のAirPlayレシーバー(Apple TV含む)にオーディオを出力可能になったこと、そして複数のiTunesアカウントを切り替え可能になったことだ。スクリーンセーバーの追加や字幕のサポートなども新機能に数えられるが、ここでは置いておく。

Apple TV(第2/3世代)のファームウェアが更新、「共有フォトストリーム」などの機能が追加された複数のiTunes Storeアカウントを切り替え可能になり、異なるサウンドライブラリーにアクセスしやすくなった

 iPhoneをカメラとして活用しているユーザーにとっては、共有フォトストリームに興味を惹かれるかもしれないが、Apple TVという製品の位置付けを考えると、より重要な意味を持つのは2番目に挙げた「AirPlay出力のサポート」だろう。Appleの製品群において、AirPlay経由で映像を受信できるのがApple TVという原則に変わりはないが、これまでApple TVはAirPlayの“受信専用”機だった。それが今後、オーディオのみとはいえど送信機能をあわせ持つというのだから、その根拠を深読みせずにはいられない。

AirPlay出力時にパスコード(オンスクリーンコード)の入力を求めるよう設定することが可能になった

 Apple TVはヒットしていると言い難いが、Appleにとって戦略的な製品であることは確かだろう。iOSベースでありながらもアプリの実行を許さず、ビデオ/オーディオプレイヤーとしてのみ機能させている。一方ではAirPlayの受信機能を持たせ、映像ストリームの受信はApple TVにのみ与えている。

 Appleの真意は推測するしかないが、MacではなくApple TVにそれら機能を用意したのは、(語弊はあるが)AV機器分野への進出を企図していると考えるのが順当なところだ。


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