静音モードでエコになる
静音モードの動作検証では、「Prime95」で高負荷をかけて、最大動作周波数を計測した。これと同時にCPU温度と消費電力も計測している。室内温度を25℃に保ち、CPU温度の計測には、無料ソフトの「Core Temp」を使用した。PCの電力はワットチェッカーで計測している。
静音モードではCPUの動作周波数が下がっているため、高負荷時でもCPU温度が9℃前後も低く抑えられている。本機に搭載しているCore i3-380M(2.53GHz)は、温度が90℃になるまでは正常動作するように設計されているが、静音モードでは52℃と約半分の値で抑えられる。
CPU温度の計測結果 | ||
---|---|---|
負荷状態 | 通常モード | 静音モード |
アイドル時 | 36℃前後 | 36℃前後 |
高負荷時 | 63℃前後 | 52℃前後 |
また、PC全体の消費電力もアイドル時の16Wから3Wのみの増加にとどまっている。静音モード時の最大動作周波数は931.4MHzと、CPU本来の最大周波数の約1/3である。このことから、静音モード時の消費電力も1/3となっている。
PC全体の消費電力の変化 | ||
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負荷状態 | 標準モード | 静音モード |
アイドル時 | 16W前後 | 16W前後 |
高負荷時 | 48W前後 | 19W前後 |
訂正とお詫び:掲載時消費電力の項目に一部誤りがあったため修正しました。(2011年3月27日)
静音モードではCPUの動作周波数が制限されることから、気になるのは操作性だろう。こちらは、Web閲覧や文書作成など、ビジネス利用で中心と思われる作業については、反応の遅れなどはなく快適に行えた。CPUは、ソフトの起動時やファイルを開く瞬間は、一時的に動作周波数が高くなるのだが、静音モードで稼働している限りはそういったこともない。本機では、ボタンを押すだけで手軽に静音モードに移行できるので、基本的には有効にしておくと、電力費用を節約できる。
ビジネスモデルだけのサポートメニューを用意
マウスコンピューターでは、ビジネスPCの「MousePro」に標準で1年間のピックアップ修理保証を付けている。これは宅配業者が、購入者のところまで故障したPCを引き取りに来て、後日修理品を配送するという仕組みになっている。この際の引き取り、修理品の配送に関するユーザーの料金負担は発生しない。24時間対応の電話サポート利用権も標準で付属している。この保証期間は、1万500円で3年間に延長することも可能だ。
また、MouseProのノートPCでは、前述の1年間の標準保証に専用サポート窓口、即日修理を付属させた「安心パックサービス」を用意している。初期不良期間内では、新品交換にも対応する。金額は5250円となる。こちらもサポート期間が3年間のプランも用意しており、1万5750円で付加できる。
完成度が高い本体と豊富なBTOが魅力
本製品は低価格を実現しながらも、筐体の作りがしっかりしており、シックなデザインにまとめられている。BTOの幅も広く、業務に必要なスペックのPC構成を柔軟に変更したうえで導入できるのも強みだろう。液晶ディスプレーには3年保証を付けた上で、1920×1080ドット表示に対応した製品が1万500円で付属できるなど、PC環境を一式揃えられる点もうれしい。
本製品の特徴である静音モードも、高負荷状態を長時間続けても不安定になることがなかった。ファンの動作音は無音と言っていいほど静かなので、会議室にもちこんでの議事録作成や、静かなオフィスでも安心して使える。
サポート内容にオンサイト(訪問修理)を用意していないのは惜しいところだが、標準で24時間対応の電話サポートが付属している点は、深夜にトラブルが発生した際などに心強いだろう。
自社の業務にあった適切なスペックのパソコン選べる自由度と、完成度の高さを実現した1台だ。
今回試用した「MPro-NR400S」の主なスペック | |
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CPU | Core i3-380M(2.53GHz) |
メモリー | 2GB |
グラフィックス | CPU内蔵 |
液晶ディスプレー | 14型(1366×768ドット) |
ストレージ | HDD 320GB |
無線通信機能 | IEEE 802.11b/g/n |
インターフェース | HDMI出力、アナログRGB出力、1000BASE-Tなど |
サイズ | 幅341×高さ33.8(最薄部は26.4mm)×奥行き235.5mm |
重量 | 約2.07kg |
OS | Windows 7 Home Premium 32bit版 |
直販価格 | 5万9850円 |
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