カシオ腕時計の初代G-SHOCKがデビューしたのは、今からもう27年も昔の1983年のことだ。任天堂がファミリーコンピュータを発売したのも1983年で、NHKが朝の連続ドラマ「おしん」を放映開始、また新宿のキャッツシアターで劇団四季のミュージカル「キャッツ」がスタートした年でもある。9月には、大韓航空機のジャンボジェットがソビエトの領空侵犯をしたという理由でミサイルによって撃墜されるという前代未聞の大事件が起き、12月にはYMOが日本武道館で解散コンサートを行なった。
G-SHOCKの初代製品は、「DW-5000」という現在と同じタフメカニズムを搭載した低価格モデルだった。この初代モデルは、復刻版も含めて多くのバリエーションを増やしており、ファミリーモデルとしてカシオG-SHOCKの中心機種として存在している。
カシオG-SHOCKの設計思想で、27年前の初代から今なお不変の”アイデンティティ”は、「耐衝撃性」だ。アメリカにおける初期G-SHOCKのキャッチフレーズは、アイスホッケーゲームでスティックで打つ「パック」の代わりにG-SHOCK腕時計を使っても大丈夫という衝撃的なものだった。当初まったく売れず、その耐衝撃性も疑われていたのだが、TV番組などで検証されて「最高のタフウォッチ」の名声を不動のものとした。
カシオ「G-SHOCK G-001」(G-001-9JF)
ボディ全体がスクエアで質実剛健タイプのDW-5000系とは異なり、今回ご紹介する「G-001」(G-001-9JF)の元となったDW-001は、そのフェイスデザインがホラー映画「13日の金曜日」の”登場人物”に似ていることから、「ジェイソン」モデルと呼ばれていた。ジェイソンモデルも実は1994年に登場したのだが、GW-5000と同じく当初はまったく売れなかったようである。
しかし、時代が変化したのか、当初のジェイソンモデルがデザイン的に早すぎたのか。理由はともかく、リバイバル版のG-001は発売直後から多くのショップで完売が相次いでいる。”幼児の玩具”のようなイエロー+グレーのカラーリングが目立つ「イエロージェイソン」モデルにいたっては、現在もプレミア価格が当たり前のところが多い。
「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである(連載目次はこちら)。
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