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あなたの知らないWindows 第45回

Silverlightをさらに進化させる「Silverlight 5」

2011年02月03日 12時00分更新

文● 山本雅史

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アプリケーション開発を容易にする機能も追加

 Silverlight 5ではビデオ関連以外に、アプリケーション開発のフレームワークとしての機能も大幅に改良されている。実際にSilverlightは、「Windows Phone 7」のアプリケーション構築フレームワークとして使用されている。

 例えばSilverlight 5では、データバインディング機能を大幅に改善している。データバインディング機能とは、データとロジックを分離して開発した場合に、これを接続するための機能だ。例えば、テキストファイルやExcelなどのCSVファイル、XMLファイルからデータを読み込んで、簡単なデータベースとして利用できるプログラムを簡単に作れる。

新しく追加されたデータバインディング機能を使えば、Silverlight上でプロジェクト管理のガントチャートも簡単に表示できる。データを変更すれば表示もダイナミックに変化する

 実は以前のSilverlightでも、データバインディング機能はサポートされていた。しかし、これは基本的な機能を提供していただけで、実際にデータバインドを利用したアプリケーションを開発しようとすると、デバック作業が難しいという問題点を抱えていた。

 しかしSilverlight 5では、データバインディングを使った時に簡単にデバッグできたり、ブレークポイント(プログラムを任意の位置や条件で停止させる機能)の設定ができるようにした。これにより、簡単にエラーの確認ができるようになる。Silverlightでビジネスアプリケーションを構築する場合には、必須の機能と言えるだろう。

 さらにSilverlight 5は、「.NET Framework 3.0」の「Windows Communication Foundation」(WCF)をサポートした。これにより効率のいいネットワーク通信が可能になり、インターネットなどの遅延の大きなネットワークでも、レスポンスのいいアプリケーションが作成できる。

文字表示や印刷品質の改良も導入

 Silverlight 5のわかりやすいメリットとしては、Silverlight上で綺麗な文字が表示できるようになったという点もある。同様に、綺麗な印刷も可能になった。これはSilverlight 5が、OpenTypeフォントをフルサポートしたことが理由にある。

Silverlight 5のテキスト表示には、OpenTypeが利用できる。さらに、GPUを使ってClearTypeでフォントをスムージングして見やすく表示する

 これによりくっきりと綺麗な文字が表示できたり、複数カラムに渡るテキスト、記号やスペースのサポートが可能になった。またGPU機能をサポートすることで、OpenTypeフォントを綺麗に表示するサブピクセルレンダリング機能「ClearType」を、GPU側で処理することが可能になった。これにより、CPUパワーを使わずに綺麗な文字を表示できる。

 さらに、新しい「Postscript Vector Printing API」も含まれたことにより、非常に綺麗なテキストや画像を印刷することが可能になった。

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