アプリケーション開発を容易にする機能も追加
Silverlight 5ではビデオ関連以外に、アプリケーション開発のフレームワークとしての機能も大幅に改良されている。実際にSilverlightは、「Windows Phone 7」のアプリケーション構築フレームワークとして使用されている。
例えばSilverlight 5では、データバインディング機能を大幅に改善している。データバインディング機能とは、データとロジックを分離して開発した場合に、これを接続するための機能だ。例えば、テキストファイルやExcelなどのCSVファイル、XMLファイルからデータを読み込んで、簡単なデータベースとして利用できるプログラムを簡単に作れる。
実は以前のSilverlightでも、データバインディング機能はサポートされていた。しかし、これは基本的な機能を提供していただけで、実際にデータバインドを利用したアプリケーションを開発しようとすると、デバック作業が難しいという問題点を抱えていた。
しかしSilverlight 5では、データバインディングを使った時に簡単にデバッグできたり、ブレークポイント(プログラムを任意の位置や条件で停止させる機能)の設定ができるようにした。これにより、簡単にエラーの確認ができるようになる。Silverlightでビジネスアプリケーションを構築する場合には、必須の機能と言えるだろう。
さらにSilverlight 5は、「.NET Framework 3.0」の「Windows Communication Foundation」(WCF)をサポートした。これにより効率のいいネットワーク通信が可能になり、インターネットなどの遅延の大きなネットワークでも、レスポンスのいいアプリケーションが作成できる。
文字表示や印刷品質の改良も導入
Silverlight 5のわかりやすいメリットとしては、Silverlight上で綺麗な文字が表示できるようになったという点もある。同様に、綺麗な印刷も可能になった。これはSilverlight 5が、OpenTypeフォントをフルサポートしたことが理由にある。
これによりくっきりと綺麗な文字が表示できたり、複数カラムに渡るテキスト、記号やスペースのサポートが可能になった。またGPU機能をサポートすることで、OpenTypeフォントを綺麗に表示するサブピクセルレンダリング機能「ClearType」を、GPU側で処理することが可能になった。これにより、CPUパワーを使わずに綺麗な文字を表示できる。
さらに、新しい「Postscript Vector Printing API」も含まれたことにより、非常に綺麗なテキストや画像を印刷することが可能になった。
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