昨年発表のChatterは無料版提供に
セールスフォース、「Database.com」でデータベース参入!
2010年12月08日 09時30分更新
12月7日から9日の3日間(米国時間)、米セールスフォース・ドットコムはカンファレンス「Dreamforce 2010」を開催。初日の基調講演で、CEOのマーク・ベニオフ氏がデータベースサービス「Database.com」を発表した。
Dreamforceは今年で8回目となる、同社の恒例イベント。全世界から同社のユーザーやディベロッパーらが大勢参加しており、今年のDreamforce 2010の登録者は3万人に上ったという。その中でもっとも盛り上げるのが、創業者でCEOのマーク・ベニオフ(Marc Benioff)氏による基調講演だ。
昨年発表のChatterは無料版を提供へ
さて、CRMをSaaS(Software as a Service)で提供するサービスから始まったセールスフォースだが、その後にクラウド上でユーザーが開発したアプリケーションを実行するForce.comを開始するなど、クラウドサービスの拡充を進めている。昨年開催のDreamforce'09の基調講演では、4つ目のサービスとして社内向けのTwitter型サービス「Chatter」を発表し、ソーシャルアプリケーションの自前での提供も始めた。
このChatterはSalesforce CRMやForce.comのユーザーであれば追加コストなしで利用できるが、今回の基調講演では新たに「Chatter Free」の開始が発表された。Chatter Free」は、2011年2月に開始する予定のサービスで、セキュリティ機能などが充実した上位エディションは1ユーザー15ドル/月となるが、基本機能は無料で利用可能になるという。また、2011年には「chatter.com」というサービスも予定している。
Azureからの利用可能なデータベースサービス
そして、今回のDreamforce 2010では、今年4月に買収したビジネスコンタクトデータサービス「Jigsaw」と、データベースサービス「Database.com」を新サービスとして発表。同社のクラウドサービスは6種類になったとした。
そもそもセールスフォースでは、既存の4つのクラウドサービスのために独自のデータベースを運用している。昨年1年間で、このデータベースには25億のリクエストがあり、100億ものレコードが登録されているという。さらに、どちらも年々爆発的に増加しており、今年のレコード数は200億。なんと、1年間で100%もの成長になったとのことだ。そして、このセールスフォース内部で使われていたデータベースを独立させて提供するのが、Database.comというわけだ。
Database.comとしてデータベースサービスを提供することの大きな特徴は、オープンになることだ。Force.comからの利用は当然だが、加えてAmazon EC2やGoogle AppEngine、Windows Azure Platformといった他社のクラウドサービスからも利用が可能となる。もちろん、自社で運営するオンプレミスの社内システムからの連携もできる。また、来年正式提供予定のVMforceにも対応するほか、JavaやC#、Ruby、PHP、さらにさまざまな言語による開発も行なえるという。
Database.comは、3ユーザーで、最大10万レコード、月間5万トランザクションまでであれば、無料で利用できる。これを超える場合、10万レコードあたり月間10ドル、および15万トランザクションあたり同10ドルとなる。
初出時、「Jigsaw」の名称に誤りがありました。お詫びし、訂正させていただきます。(2010年12月13日)
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