レンズによる解像感の違いはどうか?
次にこれらのレンズを使って同じ画角で撮影し、映像の違いを見比べてみた。撮影モードは「プログラムオート」とし、天候の変化などを除けば、撮る人による差が出にくい状態で撮影している。
まずは30mmの画角でAマウントレンズの30mmマクロと付属レンズを比較。解像感に大きな差はない。単焦点の30mmマクロレンズにもう少しがんばって欲しい気もするが、付属レンズがそれだけ高性能ということだろう。
色再現はどちらもあまり濃厚に色を乗せるタイプではないが、芝目を見ると、付属レンズの方が緑がやや濃いめに出ているようだ。
70mmの画角で、付属レンズとAマウントの70-300mmズームレンズを比較した。遠景のビルやマンションを見ると、解像感にほとんど差はない。強いていえば、付属レンズはカチッとした硬めの印象で、70-300mmズームの方がわずかに自然で柔らかい描写になっているように思う。これはいずれも甲乙つけがたい。
200mmの画角では、両者の映像にはかなりの違いが現れた。付属レンズの方が明るくコントラスト感のある映像。70-300mmズームの方は、無理にコントラストをつけず、手前の木の幹までしっかりと描いてる。
付属レンズはコントラスト感が高い分、やや陰になった部分が黒に引き込まれやすい傾向にあるが、その差が出ているように思う。まだまだ不勉強で申し訳ないが、付属レンズが200mmでF6.3に対し、70-300mmレンズが300mmの望遠端でもF5.6とやや明るいことも影響しているかもしれない。
望遠側になるほど、明るくコントラスト感のある映像の付属レンズと、あくまでも自然な描写をする70-300mmレンズという違いが大きくなったと感じる。
付属レンズの実力が予想以上に高く、ほかの単体で買ったレンズとほぼ同等の実力を持っていたのには驚いた。さすが単体販売では品薄になっているほどのレンズだ。とはいっても、レンズによる違いは十分にあり、撮影においてはこれらの傾向も踏まえて使い分けるとより自分の意図に近い撮影ができると思う。
Aマウントレンズの難点は、以前も触れたフォーカスもマニュアルになってしまうこと。手ブレ補正もないため、撮影が始まったらフォーカスをいじり直すわけにはいかない。だが、NEX-3/5では今月のアップデートでオートフォーカスに対応できるとのこと(対応するのはSSM/SAM搭載のAマウントレンズ)。NEX-VG10のアップデートも11月に予定されているので、こちらもオートフォーカス対応が実装されるものと思われる。
もうひとつは、ズームレンズやアイリス調整時の動作音をマイクが拾ってしまうこと。この対策のため、本機は撮影中の録音をしないようにする設定も備えているので、撮影上どうしても気になる場合は、動作音の問題がほとんどないEマウントレンズを使うか、音声に関してはPCMレコーダーなどで別録りする必要がある。
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