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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第36回

「Made in Japan」にこだわるスピーカーが進化!

密閉型の良さを実感!! クリプトン「KX-3PII」

2011年06月21日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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ピアノブラック仕上げとなっている「KX-3PII」(左)。従来の「KX-3」(右)からサイズが一回り大きくなった

ピアノブラック仕上げとなっている「c」(左)。従来の「KX-3」(右)からサイズが一回り大きくなった

KX-3PII(左)と「KX-5」(右)は同じサイズになった

KX-3PII(左)と「KX-5」(右)は同じサイズになった

 2004年にスピーカー事業に参入してきたクリプトンの代表的なモデルである「KX-3」シリーズが、「マークII」となって7月下旬に発売される。

 KX-3と言えば、横幅21.9cmのブックシェルフ型スピーカーで、その音の良さで大きな評判となった同社を代表するモデルだ。その後、エンクロージャーの突き板仕上げを変更したバリエーションモデルもいくつか登場している。

 今回のリニューアルでは、同社がネット配信を行なっているハイサンプリング音源への対応を含めた、大幅な改善が図られている。最大の違いは、幅224×奥行き319×高さ380mmとエンクロージャーのサイズが一回り大きくなっている点。このサイズは、昨年発売された上位モデルの「KX-5」と同じだ。

こだわり抜いたパーツを採用

17cmのスピーカーユニット

 エンクロージャーの容積を大きくした理由は、低域再生能力の強化。そのため、ユニットもKX-5と同じ、ドイツのクルトミューラー社製コーン紙を採用した17cmウーファーとしている。コーン周囲には電線被覆などで使われるブチルゴム素材のエッジを搭載し、ボイスコイルは三菱電線工業の「MEXCEL エッジワイズワイヤー」(ロングトラベル型)を採用する。

 これにより、低域再生限界を示す「f0(低域共振周波数)」を35Hzとし、低域の周波数レンジ、ダイナミックレンジを拡大している。

ツィーターの磁気回路部分。アルニコ・マグネットを内部に収める壺型内磁方式を採用している

ツィーターの磁気回路部分。アルニコ・マグネットを内部に収める壺型内磁方式を採用している

 これに合わせ、ツィーターも改善が加えられ、高域再生限界を35kHzまで伸ばしている。これは、KX-5やハイエンドモデルの「KX-1000P」と同様にハイサンプリング音源へ対応するものだ。25mmピュアシルクのソフトドーム振動板を駆動するための磁束分布や、振動系などに改善が加えられている。

エンクロージャーに使われる針葉樹系の木を使った板材。持ってみるとずっしりと重く、叩いてみると「コン」と硬く澄んだ音を響かせた

エンクロージャーに使われる針葉樹系の木を使った板材。持ってみるとずっしりと重く、叩いてみると「コン」と硬く澄んだ音を響かせた

スピーカー内部。吸音材が見える

スピーカー内部。吸音材が見える

 エンクロージャーの素材は、これまでのモデルと同様に針葉樹から切り出した厚さ18mmの「高密度パーチクルボード」を採用。内部に使用する吸音材は、ウール100%の純毛のフェルトと同社が販売している吸音材「ミスティックホワイト」を組み合わせている。オーディオアクセサリーの開発・販売も行なうメーカーだけに、素材へのこだわりが見える。

 このほか、ネットワーク基板ははんだを使わない“かしめ接続”とするほか、バイワイヤリング接続(後述)に対応するスピーカーコネクターの搭載など、基本的な造りは踏襲している。

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