対応するハードウェアなら変換は簡単
上記はマニュアル設定の話だが、iPhone/iPadやiPod、プレイステーション・ポータブル、PS3、Xbox 360といったハードウェアはあらかじめプロファイルが用意されている。このプロファイルを利用すれば簡単に動画を変換できる。
MediaEspresso 6に動画をドラッグ&ドロップし、ウィンドウ右上からターゲットとなるハードウェアのカテゴリをクリックし、続けてメーカーを選択する。たとえばiPhone向けに変換するのであれば、「携帯電話」アイコンをクリックし、さらに表示されるメニューから「Apple」を選ぶというわけだ。
これでプリセットを利用した変換のためのダイアログが表示される。「携帯電話」→「Apple」と選択した場合、まず「デバイス モデルの選択」でiPhone/iPhone 3G/iPhone 3GS/iPhone 4のいずれかを選ぶ。さらに「メディア形式のプロファイル」の「動画」欄で、プロファイルの選択を行なうという流れだ。
ちなみに「iPhone 4」を選択した場合、解像度を自動的に設定してくれる「スマート フィット」、「.MP4(H.264)/AAC/1024×768/4:3」、「.MP4(H.264)/AAC/1280×720/16:9」、そして「その他」という項目が表示された。その他を選ぶと解像度を選択することが可能で、320×180ドットから1280×720ドットまで選択できる。とにかくデータ量をコンパクトにしたい場合に、低解像度が選べるのは便利だろう。
なお、1440×1080ドットの動画をiPhone 4向けにスマート フィットでエンコードしたところ、元ファイルのビットレートが8Mbpsであったのに対し、変換後のファイルは約5.7Mbpsとなっていた。ファイルサイズは約40MBほど小さくなっているが、解像度が1280×720ドットになったこともあり、ブロックノイズが目立つといったようなことはなかった。
エンコード処理を高速化するGPGPUに対応
MediaEspresso 6では、単に簡単に動画を変換できるだけでなく、CPUへの最適化やGPGPUのサポートも特徴となっている。具体的には、まずCPUにおいてCore iシリーズに対して最適化を行なったとしており、ハイパー・スレッディングを利用し、最大12スレッドを使って変換作業を行なえるという。また、GPGPUはNVIDAの「CUDA」とATIの「Stream」の両方をサポートしている。
今回実際に、CPUにデュアルコアCPUであるCore 2 Duo E8600(3.3GHz)、ビデオカードにNVIDIA GeForce 9600GTを搭載したビデオカードで、CUDAによる高速化がどの程度なのかを計測してみた。
テストに使ったファイル(WMV)は1440×1080ドットの解像度の2分31秒の映像で、ファイルサイズは145MB。これをiPhone 4向けのプリセットを使い、スマート フィットで変換している。
まず設定で「ハードウェア エンコーディングを有効にする」のチェックを外した状態にして動画を変換してみた。この設定で変換に要した時間は3分46秒。
続けて「ハードウェア エンコーディングを有効にする」のチェックを入れて計測したところ、1分31秒で変換は完了した。GeForce 9600GTという決して高速とは言えないGPUでも、今回のCore 2 Duo環境では2分以上も高速化したわけで、GPGPUがサポートされているメリットは極めて大きいことが分かる。
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