世界シェアで6位に転落したMotorola
7月に入って携帯電話メーカー各社が第2四半期の決算発表を行なっているが、HTC、Sony Ericssonなどが、Android端末で業績を改善させている。Androidに社運をかけるもう1つのメーカーがMotorolaだ。かつては2番手だった同社はトップ5からも脱落、Androidに主軸を移して復活を図っている。
Motorolaは超薄型の「RAZR」を最後にヒット端末がなく、ここ数年低迷している。かつての宿敵だったSamsung、LGらの後塵を拝しており、2010年第1四半期はカナダResearch In Motion(RIM)と英Sony Ericssonに次いで6位、世界シェアはわずか3%にとどまっている(米Gartner調べ)。
プラットフォーム戦略もわかりにくく、一時期はNokiaやEricssonらと共同出資していたSymbian、Windows Mobile、Linuxと複数のOSを採用していた。混乱していたプラットフォーム戦略だが、2009年からはAndroidに大きくフォーカスしている。2009年9月に初のAndroid搭載機「Cliq」を発表、その後、Android OS 2.0を搭載した「Droid」を投入した(ともにアメリカで組んでいるキャリアはVerizon Wireless)。Droidは3.7型のタッチスクリーン(解像度は854×440ドット)、スライド式QWERTYキーボード、5メガピクセルカメラなどの特徴を持つフラッグシップ端末である。
iPhoneを持つAT&Tに対抗したい、Verizonの強力な後押しもあってかDroidはヒットした。調査会社のFlurryによると、初代iPhoneは発売74日後に最初の100万台を販売したのに対し、Droidは同じ74日間で105万台を売り上げたという(なおGoogleの「Nexus One」はわずか13万5000台)。少なくとも数字の面ではあのiPhoneに対抗できた端末となった。
この連載の記事
-
第338回
スマホ
ファーウェイはクラウドとスマホが好調で大幅利益増と中国国内で復活の状況 -
第337回
スマホ
米司法省、アップルを独禁法違反の疑いで提訴 その中身を整理する -
第336回
スマホ
Nokiaブランドのスマホは今後も出される! バービーとのコラボケータイ、モジュール型などに拡大するHMD -
第335回
スマホ
ファーウェイスマホが中国で好調、次期HarmonyOSではAndroid互換がなくなる!? -
第334回
スマホ
Nokiaのスマホはどうなる!? HMD Globalが自社ブランドのスマホを展開か -
第333回
スマホ
アップルがApp Storeで外部決済サービスを利用可能に ただし手数料は27% -
第332回
スマホ
米国で特許侵害クロ判定で一時は米国で販売停止のApple Watch、修正は認められるか? -
第331回
スマホ
2023年は世界で5Gが主役になった年 世界の5G契約数は16億に -
第330回
スマホ
iMessageが使えるAndroidアプリが作られ、すぐ遮断 そしてRCS対応 吹き出しの色を巡る攻防 -
第329回
スマホ
10月の世界でのスマホ市場は前年同月比5%増 なんと27ヵ月ぶりで暗黒時代を脱出したかもしれない -
第328回
スマホ
一時はウェアラブルの代名詞だった「Fitbit」が一部の国で販売停止 Pixelにブランド統一か - この連載の一覧へ