2MBの写真を日本へ送るのに、かかった時間は3時間
さて、話をジンバブエに戻そう。ジンバブエからインターネット放送をするためには、もちろん通信回線が必要だ。
そこであらかじめインターネットが使えるという前提で予約したホテルで無線LANを借りようとレセプションに問い合わせてみたところ、「数日前から機械が壊れている」という信じられない回答が返ってきた。
「いつ直るんだ」と聞いても、「保証できないね」と絶望的な答えを返すばかり。これでは放送ができないと、町へネットカフェを探しにいった。たどり着いたネットカフェで回線チェックをしてみると、わずか6kbps程度しか出ていない。
しかも回線が安定さえしていない。途切れ途切れになるため、1MBのファイルを送るのも難しい。これではとても放送できない。せめて現地の様子を届けようと、撮影した写真を小さく圧縮して、1枚1枚日本に送ることにした。
2MBの写真を送るのにかかった時間はなんと3時間。日本の通信環境のありがたさに涙が出そうになった。
生放送は日本のスタジオにつなぎ、国際電話で出演しようということにしたところ、今度は電話網がダウン。携帯が一斉に圏外となり、ホテルの有線電話経由でも日本につながらなくなった。
■トラブルの詳しい模様(ニコニコ動画)
幸い、放送直前に回復したが、一時期は放送が成り立たないと血も凍る思いだった。おまけに帰りの空港ではチケット発券システムが止まるという事態まで発展した。とはいえ空港職員は慣れた様子で、チケットを手書きして渡してくれたのだが……。
インフラが安定しないのはこうした規模の国々に共通した悩みだと聞くが、それを目の当たりにした格好だ。