オンキヨーの技術が惜しみなく注ぎ込まれた
「プレミアムスピーカー」
DE713には注目すべきコンポーネントが数多く搭載されているが、その中でも特にこの製品を特徴付けているパーツと言えるのが、約1年かけて開発したというスピーカーユニットである。
そもそもスピーカーの開発には高い技術力や経験の蓄積が求められることもあり、多くのメーカーのPCや液晶テレビは、外部から調達したユニットが組み込まれるケースが多い。高い音質を求めればコストに跳ね返り、さらにスペック上には音質の高さが表れないこともあって、なかなか高音質なユニットが搭載されるケースは少ないのが実情だ。
しかしオンキヨーは自社でスピーカーを開発できる強みを活かし、DE713には薄型でありながら極めて高品位なサウンドを再現できるユニットが搭載されている。
コンパクトなスピーカーユニットで高品位なサウンドを再現するといった場合、特に問題となるのが低域の量感であるという。薄型のユニットの場合、低域を再生するのに十分なパワーを稼げず、どうしても迫力が不足してしまう。
DE713のスピーカーユニットを見てみると、一般的な円形ではなく、細長い形状となっている。四角い形にすることでユニット面積の利用効率を高め、それによって10cmの円形ウーファー振動板と同等の面積を確保。豊かな低音再生を実現している。
ただ、細長い形状の振動板には、振動の乱れが発生するなどの課題がある。これを克服するために、振動板の素材として選ばれたのがポリプロピレンを材料とした発泡材である。軽量で成型しやすいことに加え、さらに形状を工夫することにより高い剛性と高品位な音を実現している。
エッジ構造は「Vラインエッジ」と呼ばれるもので、振動板の振幅を十分に確保できる上、さらに不要なノイズを低減できるという技術である。DE713のスピーカーユニットでは、このVラインエッジを長径部分に適用。短径ではエッジを固定することにより、不要な分割共振を防ぐとともに、Vラインエッジではエッジ幅を狭くできることから、振動板の面積の拡大にもつながっている。
高品位スピーカーを際立たせる
「DTS Premium SuiteTM」
この高性能スピーカーユニットに加えて、音質面で大きな効果をもたらしているのが、PCへの搭載は世界初という「DTS Premium SuiteTM」だ。PCの音質を向上させるためのさまざまな機能がパッケージ化されており、スピーカーユニットの能力を引き出すのに一役買っている。
「DTS Premium SuiteTM」に搭載されている機能 | |
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DTS-HD Master AudioTM | マルチチャンネルのロスレス・オーディオをスタジオマスターと同じクオリティの音質で再現する |
DTS Surround Sensation UltraPCTM | 2チャンネル、あるいはマルチチャンネルの音声を、ステレオスピーカーでバーチャルサラウンドとして再生する技術 |
DTS BoostTM | 聴覚の特性を利用した信号処理により、スペックを超えた音圧レベルを実現する |
DTS SymmetryTM | アプリケーションによって異なる音量を均一化してくれる |
DTS ConnectTM | 光デジタル出力端子などを利用し、AVアンプなどへマルチチャンネルの音声を出力する |
具体的に搭載されている機能は上の表にまとめたが、まず注目したいのは「DTS-HD Master AudioTM」だ。Blu-rayの時代になり、従来の非可逆圧縮ではなく、可逆圧縮のロスレスの音声フォーマットが広がりつつある。そうした音声をオリジナルに忠実に再現するデコーダーであり、映画や音楽の臨場感を大幅に高めてくれる。
さらに注目したいのは「DTS Surround Sensation UltraPCTM」。台詞の明瞭さを高める「Voice Clarification Technology」や豊かな低音を実現する「Bass Enhancement Technology」、そして音場を広げ、低位感のあるセンターチャネルを仮想的に生成する「Soundstage Expansion Technology」が組み込まれており、多数の技術を組み合わせることで従来のバーチャルサラウンドにはない広がりのある音空間を生み出している。
もっと迫力のあるサウンドを楽しみたいなど、システムアップを考える上で重要となってくるのが「DTS ConnectTM」だ。普段はDE713の内蔵スピーカーで音楽を楽しみ、映画を見るときはDTS ConnectTMでAVアンプ経由で出力するなど、コンテンツに合わせて出力先を選べるのは嬉しい。