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液晶一体型なのにこの音質!

オンキヨー「DE713」で満喫するAVライフ

2010年06月29日 12時00分更新

文● 川添貴生/インサイトイメージ

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オンキヨーの技術が惜しみなく注ぎ込まれた
「プレミアムスピーカー」

薄さ約10mmのスピーカーユニット。四角い形状となっている

薄さ約10mmのスピーカーユニット。四角い形状となっている

 DE713には注目すべきコンポーネントが数多く搭載されているが、その中でも特にこの製品を特徴付けているパーツと言えるのが、約1年かけて開発したというスピーカーユニットである。

 そもそもスピーカーの開発には高い技術力や経験の蓄積が求められることもあり、多くのメーカーのPCや液晶テレビは、外部から調達したユニットが組み込まれるケースが多い。高い音質を求めればコストに跳ね返り、さらにスペック上には音質の高さが表れないこともあって、なかなか高音質なユニットが搭載されるケースは少ないのが実情だ。

中央には磁気回路内ダンパーを搭載。後ろから見ると(右)、楕円形のボイスコイルを挟む形で上下にマグネットがあり、中央部分には支持部材を搭載。高い駆動力と振幅信頼性を獲得しながら薄さ約10mmという薄型化を実現

 しかしオンキヨーは自社でスピーカーを開発できる強みを活かし、DE713には薄型でありながら極めて高品位なサウンドを再現できるユニットが搭載されている。

 コンパクトなスピーカーユニットで高品位なサウンドを再現するといった場合、特に問題となるのが低域の量感であるという。薄型のユニットの場合、低域を再生するのに十分なパワーを稼げず、どうしても迫力が不足してしまう。

振動板には独自開発の発泡材を採用。中の気泡の形にも工夫が施されているという。また、独自のエッジ構造により厚みのあるサウンド再生を実現した

振動板には独自開発の発泡材を採用。中の気泡の形にも工夫が施されているという。また、独自のエッジ構造もあいまってより厚みのあるサウンド再生を実現した

 DE713のスピーカーユニットを見てみると、一般的な円形ではなく、細長い形状となっている。四角い形にすることでユニット面積の利用効率を高め、それによって10cmの円形ウーファー振動板と同等の面積を確保。豊かな低音再生を実現している。

 ただ、細長い形状の振動板には、振動の乱れが発生するなどの課題がある。これを克服するために、振動板の素材として選ばれたのがポリプロピレンを材料とした発泡材である。軽量で成型しやすいことに加え、さらに形状を工夫することにより高い剛性と高品位な音を実現している。

スピーカーユニットの縁に入っているのがVラインエッジ。一般的なロール型エッジよりも振動板の前後運動(振幅)がダンピングせず、ノイズ低減に一役かっている

スピーカーユニットの縁に入っているのがVラインエッジ。一般的なロール型エッジよりも振動板の前後運動(振幅)がダンピングせず、ノイズ低減に一役買っている

 エッジ構造は「Vラインエッジ」と呼ばれるもので、振動板の振幅を十分に確保できる上、さらに不要なノイズを低減できるという技術である。DE713のスピーカーユニットでは、このVラインエッジを長径部分に適用。短径ではエッジを固定することにより、不要な分割共振を防ぐとともに、Vラインエッジではエッジ幅を狭くできることから、振動板の面積の拡大にもつながっている。


高品位スピーカーを際立たせる
「DTS Premium SuiteTM

「DTS Premium Suite (TM)」の設定画面。映画や音楽、ゲーム向けのプリセットも用意されているので、複雑な設定を行なうことなく効果を実感できる

「DTS Premium Suite(TM)」の設定画面。映画や音楽、ゲーム向けのプリセットも用意されているので、複雑な設定を行なうことなく効果を実感できる

 この高性能スピーカーユニットに加えて、音質面で大きな効果をもたらしているのが、PCへの搭載は世界初という「DTS Premium SuiteTM」だ。PCの音質を向上させるためのさまざまな機能がパッケージ化されており、スピーカーユニットの能力を引き出すのに一役買っている。

「DTS Premium SuiteTM」に搭載されている機能
DTS-HD Master AudioTM マルチチャンネルのロスレス・オーディオをスタジオマスターと同じクオリティの音質で再現する
DTS Surround Sensation UltraPCTM 2チャンネル、あるいはマルチチャンネルの音声を、ステレオスピーカーでバーチャルサラウンドとして再生する技術
DTS BoostTM 聴覚の特性を利用した信号処理により、スペックを超えた音圧レベルを実現する
DTS SymmetryTM アプリケーションによって異なる音量を均一化してくれる
DTS ConnectTM 光デジタル出力端子などを利用し、AVアンプなどへマルチチャンネルの音声を出力する

 具体的に搭載されている機能は上の表にまとめたが、まず注目したいのは「DTS-HD Master AudioTM」だ。Blu-rayの時代になり、従来の非可逆圧縮ではなく、可逆圧縮のロスレスの音声フォーマットが広がりつつある。そうした音声をオリジナルに忠実に再現するデコーダーであり、映画や音楽の臨場感を大幅に高めてくれる。

 さらに注目したいのは「DTS Surround Sensation UltraPCTM」。台詞の明瞭さを高める「Voice Clarification Technology」や豊かな低音を実現する「Bass Enhancement Technology」、そして音場を広げ、低位感のあるセンターチャネルを仮想的に生成する「Soundstage Expansion Technology」が組み込まれており、多数の技術を組み合わせることで従来のバーチャルサラウンドにはない広がりのある音空間を生み出している。

「DTS Connect (TM)」を使えばAVアンプなどへマルチチャンネルで音声を出力できる(写真は同社AVアンプ「TX-NA808」との組み合わせ)

「DTS Connect (TM)」を使えばAVアンプなどへマルチチャンネルで音声を出力できる(写真は同社AVアンプ「TX-NA808」との組み合わせ)

 もっと迫力のあるサウンドを楽しみたいなど、システムアップを考える上で重要となってくるのが「DTS ConnectTM」だ。普段はDE713の内蔵スピーカーで音楽を楽しみ、映画を見るときはDTS ConnectTMでAVアンプ経由で出力するなど、コンテンツに合わせて出力先を選べるのは嬉しい。

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