淘宝網のかしこい使い方
日本で中国のモノがオンラインショッピングで買えることよりも、中国でYahoo!ショッピングが利用できるようになることが大きいと考える。「ヨドバシAkiba」や新宿で電器製品を買いあさり、銀座でブランド品や化粧品を買いあさる中国人ツアー客を見るに、中国からYahoo!ショッピングを通して、携帯電話の白ロムやデジカメやゲーム機本体(ソフトにあらず)や美容家電をはじめとした電器製品、それにブランド品や化粧品を買う人は多いだろう。
また中国では、ベビー用品や食品など、体が摂取する商品も日本向けのものが人気である。最近では中国人グループが、他人のカード情報で紙おむつを購入し、中国本土転売したことがニュースとなった。
中国人は中国人を信用せず、日本人(外国人)をより信用するきらいがある。既に淘宝網には、在日華僑が日本向け製品を転売するショップが多数あるが、おそらくその顧客の何割かがYahoo!ショッピングを経由するだろう。
Yahoo!ショッピング以外にも既にいくつもの日本企業が中国向けECサイトを構築し、日本向け商品を中国に売る橋渡しを試みた。ソフトバンクグループ内でもYahoo!ショッピング以前にSBIベリトランスが「佰宜傑」(Buy-j.com)というサイトで中国の消費者に訴えた。
しかし前述のとおり、淘宝網はオンラインショッピング市場の8割弱のシェアがあるだけに、中国のネットユーザーがオンラインショッピングをしようと思い立ったら、まず淘宝網を訪れて検索する。
「淘日本」のサイトへのリンクが誰の目にもつくところにあれば、中国の日本向け商品の輸入サイトでは淘日本が確固たる地位を築き、他の中国向け日本商品販売サイトを共存ではなく、追いやってしまうかもしれない。
さて、最後に簡単な淘宝網の使い方を手短に紹介。中国人から散々アドバイスをもらい、様々な変なガジェットを購入し、騙されることがなかった筆者だから、このやり方で失敗することはまずないだろう。
- 淘宝網でヒットしやすいキーワードで目的の商品を探す。
- 欲しいモノが決まったら、その商品名でさらに検索。
- 価格が安い順にソートする。安い商品のリンクを数件クリック。取引数が多く、かつ信用が高いショップを選ぶ。
3の後、専用のチャットソフト「阿里旺旺」を利用し、ショップと値引き交渉をするが、さすがに交渉時の言葉の壁があり、Yahoo!ショッピング側で用意するとは考えづらい。値引き交渉無し、つまり気持ちマージンが余計についた状態で購入することになろう。そこはYahoo! Japan側でヤフーポイントをつけることで対応して欲しいところだ。
また淘宝網では、希望した商品と違う商品が届いたときや、届いたときに商品に問題が発生していたときのために、商品到着後商品に異常がないことを確認してからお金を振り込むシステムとなっている。商品が日中を跨いでも、このシステムを採用して欲しいところだ。
辛口な期待をしたが、なんだかんだ言っても淘宝網の製品を日本で買えるということに期待している。中国の悪質なショッパーに若干不安は残るが、システム次第でかなり解決できる。日中両国の相乗効果が狙えて、日中両国を跨いでカネが巡回するYahoo!チャイナモールが化けるかどうか楽しみだ。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。最新著作は「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)
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