iLife編
「iLife '09」は、iPhoto、iTunes※、GarageBand、iMovie、iDVD、iWebの6本から構成されるマルチメディアアプリケーションスイートだ(関連記事)。
パッケージソフトとして9800円(5ユーザーライセンスのファミリーパックは1万1800円)で販売しているが、Macを購入すれば最初から付属しているのでとてもお得。このうちiTunesは、Mac版/Windows版の両方がアップルのウェブサイトから無償でダウンロードできる。そのほかのソフトはMacでしか使えない。
デジカメやiPod、ビデオカメラなど、パソコンにつなぐデジタル機器が増えてきた現在では、写真/音楽/ビデオをパソコンで管理するのが当たり前になっている。そうしたニーズにピタリとはまるのがiLifeのソフトだ。
また、少ない手間で見栄えのいいコンテンツが作れる点も見逃せない。「クリエイターじゃないから、そういうのは縁がないよ」という人でも、友達の結婚式用にお祝いムービーをプレゼントしたり、実家に送るために子供のスライドショーを編集したりと、人生の要所で何かを作る機会は訪れるもの。そうしたときにMacとiLifeがあれば、きっとあなたの強力な味方になってくれるはずだ。Macを購入したら、ぜひiLifeの各ソフトに触れてみてほしい。
※iTunesはもともとiLifeのパッケージに含まれていたが、現在はアップルのウェブサイトのみで提供している。そうした出自やほかのiLifeソフトと連携する機能も用意しているため、ここではiLifeの中に含めて紹介した。
iPhoto
顔や撮影地で画像を探せる写真管理ソフト
iPhotoは、デジカメで撮影した画像を一括管理するソフトで、簡単な編集や共有といった写真の活用まで実行できる。Windowsで言えば「Windows Live フォトギャラリー」に相当するものだ。
デジタルカメラをUSBケーブルで接続、あるいはメモリカードをカードリーダーに挿入するとiPhotoが起動し、メモリ内の写真やムービーを読み込む。読み込んだ写真/ムービーはEXIFデータに合わせて日時ごとに分類されるほか、自分でタグを付けて分類したり、顔検出機能やGPS情報で分類可能だ。
Macらしい機能としては、クリエイティブな機能の充実が挙げられる。編集機能は画像調整や傾きの補正、赤目検出など基本的なものが中心だが、いずれも非常に簡単に使えるように工夫されており、最新の一眼デジカメのRAWデータもサポート。
さらに、注目したいのが写真の活用だ。スライドショーでは、写真がふわっと現れては消える切り替え効果(「Ken Burns エフェクト」という)が見ていて楽しい。iPhoto上からプリントアウトやアルバムを注文できるサービスも用意する。特にアルバムではデザインが上品なので、一度注文したらリピーターになる人も少なくない。
iPhotoには写真だけでなく動画も登録できる。iPhotoに登録したデータはiPhoneとも同期できるので、さまざまなデータを登録しておき、iPhone上で楽しむといったこともできる。デジタルカメラを持っている人なら、一度は使って損のないソフトだ。
初出時、iPhotoはPDFに対応していると記載しておりましたが誤りでした。訂正してお詫び申し上げます(2010年4月1日)
iTunes
音楽や動画、iPhoneアプリもまとめて管理
iTunesはWindowsでもすっかりおなじみになった、世界で最もシェアの大きなミュージックプレーヤーソフトだ。もっとも、今や音楽をCDから取り込むだけでなく、iTunes Storeで音楽やムービー、iPhoneアプリを購入したり、Podcastやネットラジオの視聴/購読、デジカメなどで撮影したムービーの管理なども一元で実行可能な総合コンテンツ管理ソフトに成長した。さらに、iPodやiPhoneとの連動ではカレンダーの予定やアドレスの同期もできる。
すでにWindowsのiTunesでライブラリを構築している場合は、ホームシェエアリング機能を使えば簡単に移行可能だ。Windows版に比べるとMac版のiTunesのほうが動作も軽く、ストレス無く使えるだろう。
GarageBand
ピアノやギターのレッスンもできる音楽作成ソフト
iTunesが音楽を消費するためのツールだとすれば、音楽をクリエイティブな側面から楽しむためのツールがGarageBandだ。基本的には、いわゆるMIDIシーケンサーに分類されるソフトだが、音符を1つずつ入力していく「打ち込み」も、MIDI楽器を接続して演奏を録音していく「宅録」(自宅録音)も、どちらもこなせる。
「音楽」というと構えてしまう人も多いだろうが、GarageBandではあらかじめ用意されている豊富なループ素材を組み合わせていくだけでも、それっぽい曲がすぐに作れる。ユニークなのは、MIDIキーボードやギターなどを持っている人向けに、ピアノとギターの個人レッスンが受けられる「レッスン」機能だ。楽器の初心者でも、音楽理論や演奏法を自分のペースで習得していける。
「楽器は弾けるけど、一緒に演奏する仲間がいない……」という人には「Magic GarageBand」がある。これは自分が担当する楽器以外のバンドメンバーをMacが受け持ってくれる自動演奏機能で、演奏のクオリティもかなり高い。うまく演奏できたときは録音も可能だ。
GarageBandのもうひとつの側面が、Podcastの制作機能だ。インターネットのラジオ番組とも言えるPodcastだが、GarageBandならマイクがひとつあれば、曲を作るのと同様に簡単な操作で制作できる。本格的に作り込みたい場合でも豊富なエフェクトや調整機能が用意されているので安心だ。
Macのソフトは昔からユーザーインターフェースが優れており、難しいことや複雑なことを簡単に作業できる工夫が凝らされている。GarageBandはそういった側面で、簡単な操作で誰もが音楽制作を楽しめる、いかにもMacらしいソフトだと言えるだろう。音楽は苦手だという人にも、ぜひ一度触れてみてほしい。
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