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T教授の「戦略的衝動買い」 ― 第92回

KindleやiPadではない、第三の「Boogie Board」を買う

2010年03月25日 12時00分更新

文● T教授

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Boogie Board
Boogie Boardは、電子ペーパーのようなコレステリック液晶にペンで描くボードだ

 世の中は、電子出版ブームだ。右を見ても左を見ても「iPadかKindleか!?」なんて話題で持ちきりだ。ビジネストレンドを先読みすることが好きな人や、テクノロジーとビジネスの評論家には数年に一度の美味しいトピックが登場したのかもしれない。しかし、限られた軍資金で失敗の許されない選択を求められる一般ユーザーにとってはどうだろうか?

筆者のKindle

 よく考えてみると、「勝ち組」になるかもしれない商品を運良く買って長く使おうなんてことを一番に考えるから、他人が書いたり言ったりした蘊蓄やスペックの比較に無駄な時間を使わなければならないのだ。

 本来なら、両方とも買って、しばらくじっくり使って自分に一番向いた商品を長く使うのがベストだろう。使わなくなったほうは、「機能最高・理由あって惜譲!」なんてタイトルを付けてオークションに出品すればいいのだ。

 四半世紀程前の多くの先人は、100万円以上したMacintoshや、数十万円以上した東芝のラップトップの両方をほぼ同時に買って使っていた。今もきっとどっちかのユーザーに違いない。

 現代は、昔に比べると10分の一以下の出費で、二つの商品を自分が納得の行くまで比較検証できる環境なのだ。考えようによっては、現代は極めてユーザー主導型の恵まれた時代だと言えるだろう。

 年初に届いたKindleはもちろん今も使っているが、これはあくまで紙の本や情報を合理的に持ち運び、読み、楽しむための道具だ。ある面、ガジェットにはほど遠い目的主導型の日常的実用品といえる。

 iPadはまだ触れたこともないので、何にも言えないが、うっかりするとアップル独特のガジェット的兆候のある、筆者の大好きな「何でもできるけど何にも向いていない怪しげな商品」になる可能性もありそうだ。もちろんiPad 3Gモデルは、発売日には買う予定だが、その目的の90%以上は初めて会った人に自慢することで、別にKindleの様に書籍や新聞を真剣に読むための道具では決してない。

 もし、そんな「人に自慢する」極めつけの商品を探しているなら、ぴったりの商品がある。「Boogie Board」(ブギーボード)と呼ばれる商品がそれだ。

 大きさはKindle2サイズで、重さは半分以下、薄さはたった3mm少々、記録メディアを持たず、入出力端子なし。本も新聞も情報も読めないが、ただただ自由自在に思いついた絵や文字を一時的に書き留めることができる。

Boogie Board Boogie Board
簡単なパッケージングで米国から直送されてくる。筆者は友人がまとめて4台買った中から2台を譲り受けた万年筆で文字や絵を何千年も歴史ある紙に書くのと、Boogie Boardに描くのは確実に両立する二つの世界だ
Boogie Board Boogie Board
Boogie Boardは、ほぼKindleサイズだが、薄くて軽くて何処にでも持って行ける本体の薄さはKindle2の半分くらい。デジタルノギスの実測で3.31mmだ

「戦略的衝動買い」とは?

 そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。

 それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである。

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