DTMは好きだった
でも才能があったのはイベント運営だった
――「スキマ」系のイベントとして「ボーマス」を始めたのはいつごろですか?
鷲見 初音ミクが出た年の11月に始めたので、2年前です。最初はボーカロイドのイベントとしてやっていました。出展者は同人誌-音楽の比率が半々くらいだったと思います。
――参加人数はどれくらいになるんでしょう。
鷲見 今では来場者も約3000人くらいで、参加サークルは400サークルになっています。開始当初は「スキマ」だったので、まだ50サークルほどでした。
――スタッフは全員がボランティアでやっているんですか?
鷲見 当日のボランティアスタッフが40~50人くらいです。ケットコムでやってきたイベントで関わってもらった方が中心ですね。他の準備や運営はヨメと2人でやっています……。収益はまあ、トントンというところですね。個人的な趣味でつづけているところが大きいので、それでも大丈夫です。
――趣味というと、鷲見さん自身もDTMをやっていたことがあったんですか?
鷲見 いいとこ付きますね! 実はDTMはPC-98時代からやっていまして。ローランドのSC-55mkIIとかを持っていて。MIDIキーボードなんかも買いはしたんですけど、でもやっぱりダメですね。「才能ないな」と。そこからもっぱら聴き専です。パソコン通信でMIDIを落として聴くという時代ですね。自分でプログラムをつくって聴いていました。
――すると、初音ミクも買ってみた?
鷲見 買いはしたんですが、ダメでした。フリーのMIDIを差し込んで歌わせてみたりはしたんですけど。やっぱり音楽は才能だ、それだったら、リアルに曲を発表出来る場を作ろうと。「ナマ感がある」というか、手渡しで発表出来る場が作れたらいいなと思ったんです。
――そんな鷲見さんが「イベントの人」になったのはきっかけが?
鷲見 パソコン通信時代、1990年代半ば頃にオフ会をやっていたことがあったんですよね。それが1回あたり30人くらいが集まる大規模なオフ会で。
――なるほど、そこからイベント運営を始めることになったと。
鷲見 C★NETをやっていた2000年に「みみけっと」という猫耳キャラクターオンリーのイベントをやったのが初めでしたね。コスチュームカフェという制服オンリーのイベントがありまして、そんなイベントにしたいなと思って始めたんです。