※この記事は「現場でプロが培ったGoogle Analyticsの使い方」の第11回です。過去の記事も合わせてご覧ください。
参照エンジントラフィックの分析の2回目は、コンテンツと参照元サイトの相性をGoogle Analyticsでアクセス解析する方法を紹介します。ユーザーがどの参照元サイトから、どのような動機で訪れ、どのコンテンツを読み、どんな感想を持ったのかをアクセス解析ツールから読み取る手法を紹介し、コンテンツの改善や時流の変化に気づけるようにします。
「参照元サイトについては、前回も説明がありましたよ。参照トラフィックが増えていることに気づいたら、どの参照元から増えているのか調べて、さらに新規セッション率が高い参照元を見つけて、潜在的ユーザーを獲得する、という話でした」――実は、参照トラフィックが増える理由は大きく2つあるのです。
- ユーザー数の多いWebサイトで取り上げられ、多くのユーザーが訪れる
- たくさんのWebサイトで取り上げられ、多くのユーザーが訪れる
参照サイトで訪れるのは紹介客です。前回紹介したのは、Yahoo!ニュースのようにユーザー数の多いWebサイトで取り上げられる場合で、テレビ番組で有名人が「○○というお店のケーキがおいしい」と紹介するようなものです。影響力の大きいWebサイトからのリンクが張られることで、大勢のユーザーが訪れます。一方で、ユーザー数の少ないWebサイトで取り上げられても、参照トラフィックが如実に増えることは普通はありません。しかし、そのページに世間を騒がせるほどの影響力があれば、ユーザー数の多いWebサイトで取り上げられなくても、巨大な参照トラフィックが発生します。
以下は、ASCII.jpのあるサブドメインについて、ある期間を比較したときの表です。
期間A | 期間B | 増減 | ||
---|---|---|---|---|
全体 | セッション数 | 474,448 | 670,436 | +41.31% |
平均ページビュー | 4.42 | 4.48 | +1.48% | |
ページビュー | 2,095,695 | 3,005,095 | +43.39% | |
直帰率 | 43.60% | 43.59% | -0.02% | |
ノーリファラー | セッション数 | 110,403 | 128,675 | +16.55% |
構成比 | 23.27% | 19.19% | -17.52% | |
平均ページビュー | 5.18 | 5.63 | +8.57% | |
直帰率 | 38.72% | 38.42% | -3.42% | |
参照サイト | セッション数 | 178,914 | 341,798 | +91.04% |
構成比 | 37.71% | 50.98% | +35.19% | |
平均ページビュー | 4.18 | 3.98 | -4.76% | |
直帰率 | 42.11% | 44.53% | +5.75% | |
検索エンジン | セッション数 | 185.131 | 199,963 | +8.01% |
構成比 | 39.02% | 29.83% | -23.56% | |
平均ページビュー | 4.19 | 4.61 | +9.92% | |
直帰率 | 47.94% | 45.96% | -4.15% |
表からサイトの傾向を読み取ります。期間Bは期間Aに比べてセッション数が41.31%増え、平均ページビューも1.48%増えたため、ページビューは43.39%伸びました。セッション数はどのトラフィックでも増えていますが、参照サイトが91.04%(16万2884セッション)増えているのが特徴です。では、16万2884セッションものトラフィックはどのWebサイトから誘導されてきたのでしょうか。