適材適所が
クラウドによるコスト削減のキモ
クラウドサービスは、「今までよりも安くて早いシステム」という使い道だけではなく、既存のIT資産にアドオンする形で、適材適所でコストを削減できるというメリットにも注目すべきというのが、LotusLiveを擁するIBMの主張である。
そう考えると、クラウドの使い道は企業買収時などの、異なる組織の併合だけに限らない。ホテルの話を続ければ、たとえばフロントデスクスタッフやハウスキーピングなど、デスクワークの比率が少ないスタッフには、メールやスケジューラは必要であってもNotes/Dominoは必要ないだろう。また、ホテル以外でも、百貨店の店員、航空会社のパイロットやキャビンアテンダントは、1日に何回もメールをやりとりするような業務形態ではないはずだ。
ならば、フロアに共有の端末を1台用意して、適材適所でクラウドを使っていけばよい。この適材適所によるコスト削減がクラウドのキモであり、だとするならば、既存システムとの接続こそが、クラウドの評価基準となってくる。
そこで、iNotesに限らず、LotusLiveが押し出すのは他のシステムとの接続性だ。vCardやiCalendarのインポートは当然のことながら、今回のケースでは当てはまらないが、SalesForceやLinkdin、Skypeとの連携サービスも提供している。
「iNotesは、ハブ的な役割として機能できます」と語るのは、日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業 ロータス事業部の森島秀明氏。たとえばカレンダー機能ひとつとっても、社外のNotes/DominoユーザーやExchangeユーザー、Gmailユーザーに、iNotesから会議招集をかけられる。誰から返事が来たか? というのもすぐにわかる。「基本的に、iCalendarでやりとりをするので、iCalendarをきちんと処理できるPIMであれば調整できてしまうわけです」。さまざまなシステムを仲介するクラウド、それがLotusLiveだというわけだ。
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