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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 ― 第4回

DS-10でチーターマン・プロが本気になったワケ

2009年10月11日 12時00分更新

文● 四本淑三

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 何故かニコニコ動画で人気に火の付いた「伝説のクソゲー」チーターマン。そのテーマはカバー曲として人気が高く、過去いくつもの名作が生まれた。

 そこにこの夏、KORG DS-10 PLUSで作られた、やたらとカッコいいバージョンが加わった。「何でDSでこんな音楽が作れるのー?」と驚いた人も多いはず。



 この動画を作ったのは「Koishistyle」こと大石憲一郎さん。去年はDS-10とスタイロフォンで『イパネマの娘』を演奏し、図らずも復刻版スタイロフォンの売り上げに貢献してしまった人だ。

 しかし彼は、特撮ものの主題歌を制作するユニット「Project.R」のリーダーとして、『炎神戦隊ゴーオンジャー』『侍戦隊シンケンジャー』などの仕事で知られる、プロのアレンジャー・コンポーザーだ。その彼がなぜDS-10でチーターマンなのだろう? プロの犯行手口とその過去を探ってみよう。


DS-10の前にLogicでシミュレーション

――まず新しいDS-10 PLUSの印象はどうですか?

大石憲一郎さん。DS-10公式イベント「DS-10 EXPO」などでもおなじみの顔

大石 制限が少なくなって普通に使えるようになりましたね。ただ、倍になった発音数を、目いっぱい使うつもりで始めると難しいですよ。以前のようにシングルモードで作って、足りない要素を足す。もしくは何をどこで鳴らすかを完全に設計して始める。そのどちらかでしょうね。

――制約があることでプロもアマも大きな差は出ない。それがDS-10の敷居の低さだったと思うんですが、大石さんのチーターマンでも分るように、技術的な差がはっきり音に出ますね。

大石 テクノ以外の音楽もできるという意味では、敷居も下がったと思いますよ。ただ、行き当たりばったりじゃダメでしょうね。今回のチーターマンもDAWでシミュレーションして、DS-10の枠に納まると判断してから落とし込んでます。

――そこはさすがにプロの手口ですね。

大石 「イパネマ」の頃からそういうやり方です。コードトーンを作るのに、VCOのピッチをパターンごとに変えるんですが、どの組み合わせならコードとして成り立つか。それは事前に設計を立てないと。DS-10単体でやれない事はないんですが、時間がものすごくかかる。

――パズルみたいなものですからね。音数を省略する判断も必要だし。

大石 そうなんです。やっていてパターンが足りなくなる可能性もあるし、見切り発車ができないんですよ。だから一度Logic上で組み立ててみるんです。今日PC持ってきたんで、なんだったらシーケンス開けますよ。

 というわけでMacBook Pro上のDAWで組まれたチーターマンを聴かせてもらった(MP3ファイルはこちら!)。DS-10では「この小さいゲームマシンでよくぞ」という驚きも加わるわけだが、それを抜きにしても普通にカッコいいアレンジだった。ついでにあの「ファミマ」のスケッチまで! 忙しくて完成させられないというものの、すでにこのままボツにするのは惜しい完成度。実に勿体ない。

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