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キヤノン「imageRUNNER ADVANCE」に見る

いまどきのオフィス向け複合機の実力

2009年09月25日 10時30分更新

文● 石井英男

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Adobe PDFに完全対応し、Reader Extensionsもサポート

 imageRUNNER ADVANCEは、Adobe PDFへの対応も強化されている。imageRUNNER ADVANCEは、Adobeとライセンスを結んだAdobe純正のPDFファイルを生成できる唯一の複合機であり(従来機や他社の製品は、開示されている情報に基づいたクローンのPDF)、新たにReader Extensionsをサポートしたことがウリだ(オプションの「スキャンソリューション機能拡張キット・A1」が必要)。

 純正である利点としては、Reader Extensionsを有効にして文書のスキャンを行い、PDFファイルを作成すると、Adobe Reader(Acrobatではない)を利用して、注釈やスタンプを追加したり、文書の簡易編集が可能になる点が挙げられる。

左がReader Extensionsありの文書。右がReader Extensionsなしの文書

Reader Extensionsありの文書は、無償のAdobe Readerを使って、注釈やスタンプの追加、修正など簡単な編集ができるので便利

Reader Extensionsありの文書は、ファイルを注釈として添付することも可能

 もちろん、通常のPDFファイルでも、Adobe Acrobatを利用すれば自由に編集できるが、Adobe Acrobatは有償のソフトであり、全てのPCに導入するとコストがかかる。Reader Extensions付きのPDFファイルなら、無償のAdobe Readerでの編集が可能になるので、紙ベースで行っていた既存のワークフローの電子化が容易になり、導入コストも大きく削減できることがメリットだ。

 また、Adobe PDFに対応しているため、Adobeのアクセス制御サーバー「LiveCycle Rights Management ES」と連携し、セキュリティーポリシーの動的な付与や変更が可能であり、ドキュメント管理のセキュリティーを高めることができる。


OOXML対応で、紙文書の再利用が可能に

 imageRUNNER ADVANCEの新機能はほかにもある。新たにMicrosoft Office 2007で採用されたXMLベースのファイル形式OOXML(Office Open XML)に対応した。紙文書をスキャンする際にOCR処理を行い、テキスト情報を付加、図形データはアウトライン処理してPowerPoint形式に変換できるようになった。

この図表入りの文書を「Scan to PowerPoint」を利用してスキャンする

スキャン結果をPowerPointで開いたところ。一番上に表示されているのが「アウトライン+画像」レイヤーだ

図形や画像はアウトライン処理されており、移動や拡大縮小が自由に可能

右側に表示されているのがOCR処理レイヤーで、テキストデータ化されているため、再利用が容易

 この新機能「Scan to PowerPoint」を利用して作成されたPowerPointファイルは、「アウトライン+画像」レイヤー、「背景」レイヤー、「OCR処理」レイヤーという3つのレイヤーから構成されている。オフィスでは、原本が紙しかない資料を再利用して、新たな文書を作りたいということもよくあるが、imageRUNNER ADVANCEがあれば、OCR処理レイヤーのテキストをコピー&ペーストすることで、効率よく再利用できる。

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