キヤノンマーケティングジャパンは24日、同社が展開するオフィス向け複合機“imageRUNNER ADVANCE”(関連記事)の機能を拡張するアプリケーションを発表した。
中堅・中小企業向けの「えらんでマイプリント for MEAP ADVANCE」と大企業向けの「サーバレス AnyplacePrint for MEAP ADVANCE」の2種。いずれも“セキュアプリント”や“コスト削減”といった企業ニーズに応える製品となる。
セキュアプリントを手軽に実現
オフィスや学校などに置かれている複写機は、現在ではネットワーク機能を備え、パソコンとも連携可能な高機能複合機となっている。キヤノンが提唱するMEAP ADVANCEは、これらの複合機上でアプリケーションを動作させるためのプラットフォームだ。
まず、えらんでマイプリントは、パソコンから印刷する際のムダを省くことで、コスト削減効果が得られるアプリケーション。出力したが利用者が取りに来ないまま原稿が放置されたり、印刷を実行した後に間違いに気付き、出力し直すといった失敗はよくあるもの。こうしたムダを省くことを想定している。
本ソフトを導入すると、パソコンから出力した印刷ジョブはいったん複合機内に保存される。出力する際には、複合機の前まで足を運び、タッチパネルで利用者のフォルダーに一覧表示されたジョブを選択するなど、意識的に指示しなければならない。また、ジョブの選択時には「カラー/モノクロ」「片面・両面」「印刷部数」などを変更できるので、設定ミスによる紙の無駄遣いなども防げる。
認証は出力したパソコンとフォルダごとのパスワードで実施するので、ICカードリーダの追加などの投資も不要となる。プリンタードライバーをインストールすれば複雑な設定なしに利用できるので、専任管理者を置けない小規模なオフィスでも気軽に導入できる。
価格は4万2000円で2012年1月中旬の発売を予定している。
一方サーバレス AnyplacePrintは、複数台の複合機を導入しているオフィスで、どの複合機からも印刷できるようにするアプリケーション。例えば普段出力している複合機で他人が長時間印刷している際に、別のプリンターから出力したり、自分の席とは離れた場所での会議や商談などで、手近にあるプリンターから資料を印刷したい……といった用途に対応できる。
こうしたAnyplacePrintの実現には、従来専用サーバーの設置が必要だったが、サーバレス AnyplacePrintは、ネットワークに接続したimageRUNNER ADVANCE同士で、HDDに印刷ジョブが格納されている複合機の情報を共有し合う機能を持つため、印刷ジョブを送ったのとは別の複合機からも印刷が可能になる。
30台程度と使用できる複合機の台数には制限があるが、サーバーを購入しなくていいため初期導入コストを大幅に削減できる。
価格はオープンプライスで、市場想定価格は11万円前後になる見込み。2012年1月下旬の発売を予定している。
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