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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第13回

息の長いGPUになったDirectX 10世代のGeForce

2009年08月10日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/)

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 今回はいよいよ、DirectX 10世代のNVIDIA GPUについて解説しよう。

NVIDIA初のDirectX 10対応GPU「G80」

G80(GeForce 8)~G90(GeForce 8~9)世代のロードマップ

G80(GeForce 8)~G90(GeForce 8~9)世代のロードマップ。各項目の内容は、製品名、開発コード名、Vertexユニット数/Pixelパイプライン数/テクスチャーユニット数/ROP数、コア動作周波数、メモリデータレート、メモリ種別、帯域、インターフェース、ファウンダリーと製造プロセス

「GeForce 8800 GTX」搭載カードの例

「GeForce 8800 GTX」搭載カードの例

 2006年11月、NVIDIAは第8世代のGPUコアとなる「G80」を「GeForce 8800 GTX」として発表する。G80の最大の特徴は、DirectX 10に対応したことだ。この結果、シェーダーはPixel、Vertex、Geometryの区別がない統合(Unified)シェーダーになり、当然ながら内部構造も大幅に変更された。また動画再生支援機能も、「PureVideo HD」と呼ばれるHD映像に対応したものに強化されている。

 まず最初に製品化されたのは、ハイエンドのGeForce 8800 GTXと、これのシェーダーの一部を無効化して低価格化を図った「GeForce 8800 GTS」。さらに2007年5月には、高速動作品を使ったトップエンド向けの「GeForce 8800 Ultra」がリリースされる。

「GeForce 8800 Ultra」によるSLI構成の例

「GeForce 8800 Ultra」によるSLI構成の例

 ただ、これらは性能も高いが、相変わらず消費電力も高かった。一番消費電力が低めのGeForce 8800 GTSですら140W台。GeForce 8800 Ultraでは170Wを超えており、PCI Expressの規格で定めた150Wという電源供給の定格を、いきなり超えてしまった。なにせ最初に公開されたリファレンスデザインのカードには、水冷用コネクターが用意されていたほどで、また実際の製品にも水冷システムを搭載した製品がいくつかあったほどである(関連記事)。

 また484mm2という巨大なダイサイズでは、コストが高すぎてどうやっても普及帯に持ち込むのは難しい。こうした問題もあってか、2007年4月には台湾TSMC社の80nmプロセスを製造に使うとともに、シェーダー数を大幅に削減した「G84」「G86」コアを使った、「GeForce 8600 GT」と「GeForce 8500 GT」がリリースされる。ダイサイズはそれぞれ169mm2と115mm2まで削減され、消費電力も113~139Wと22~62W(構成や動作周波数により異なる)まで下がり、やっと普通に使える範疇の製品となった。

「GeForce 8600 GTS」搭載カードの例

「GeForce 8600 GTS」搭載カードの例

「GeForce 8500 GT」搭載カードの例

「GeForce 8500 GT」搭載カードの例

 ちなみに、このGeForce 8600 GTの高速動作版が「GeForce 8600 GTS」で、GeForce 8500 GTの機能削減版が「GeForce 8400 GS」となる。ちなみにOEM向け専用として、このGeForce 8400 GSの構成を更にグレードダウンした「GeForce 8300 GS」という製品も用意された。またGeForce 8400 GSに関しては、シェーダー/テクスチャーユニット/ROPユニットの数が16/8/4構成で動作周波数を抑えた製品と、8/4/2構成で動作周波数をあげた製品の両方が混在する。

「GeForce 8400 GS」搭載カードの例

「GeForce 8400 GS」搭載カードの例

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