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ワイヤレスジャパン 2009レポート 第6回

ライバルは固定ブロードバンド通信のイー・モバイルとUQ

2009年07月23日 14時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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UQコミュニケーションズは
最終的に基地局を2万局設置する

UQコミュニケーションズ 田中孝司氏

UQコミュニケーションズ 田中孝司氏

 続いて登場したUQコミュニケーションズの田中孝司社長は「いよいよ本格スタート UQ-WiMAX~真のモバイルインターネット時代の幕開け~」と題し、同社が展開するWiMAXによるサービスと、携帯電話ベースの技術を用いた他社のサービスとの違いを強調しつつ、講演を行なった。

 まず田中氏が話題に上げたのが次世代のモバイルネットワークに求められている要素について。それは「キャパシティ」だという。「現行の(3Gの)ネットワークは十分なキャパシティを持っていないため、映像のようなリッチコンテンツを流すとすぐに一杯一杯になってしまう」とする。

3Gベースの技術との違い

講演中もっとも強調されていたのが、3G携帯の技術をベースとしたサービスとの違いについて。データ通信に特化したWiMAXと異なり、携帯電話のインターネットはバランスが悪いとする

 一方で現在のPCは、Webブラウザを通じてネットワークの向こうにあるコンテンツを利用する使い方が主流であると見る。そのために必要なのがスピード。この両要素を満たすのがUQコミュニケーションズのインフラということになる。

 特に後者のスピードについては「5Mbps以上の速度が必要」と具体的な数字を挙げた。実際に同社では「最低でも3Mbps以上、大抵のところで5Mbps以上」出すのを目標としているという。

 一方同社のサービスを評価する際に、しばしば語られるのが提供エリアの問題。これについては「最初のカバーエリアの作り方が間違っていた」と反省したという。

 音声サービスであれば、繋がって通話できることが最重要。そのためエリアを広くカバーすることが重要だった。しかし、WiMAXのサービスにおいて、ユーザーが重要視するのはスピード。最低でも1Mbps程度で利用できなければ満足してもらえない。

密度の向上

現在は単なるエリアの拡大だけではなく、密度の向上にも努めている

エリア表示

同社のサイトで住所を入力すると、電波の強度がピンポイントで表示される

 そこで現在は密度を濃くするという方向で取り組みを進めているという。また、同社ホームページ内にあるエリアマップの見せ方にも変更を加えた。住所を入力すると、ピンポイントで住所における電波の強度が4段階でわかるようになっている。

 さらなる課題は屋内への電波浸透。これについては「特別な技術はなく3Gと同様」で、基地局を増やすしかないと発言。また電波を室内にリレーするレピーターのほか、フェムトセルの活用などを視野に入れている。最終的には2万局の基地局の設置を予定し、全国にサービスを拡大していくことを約束した。

フェムトセル

電波の室内への浸透という部分ではフェムトセルの活用も考えている

今後の予定

今後は着実にエリアを拡大。2010年度末までには全国の主要都市へと拡大する予定

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