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ワイヤレスジャパン 2009レポート ― 第5回

XGP、モバイルWiMAX、そしてLTE! 次世代通信への対応は?

2009年07月23日 14時00分更新

文● 行正和義

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 今後数年の携帯電話業界の展開を考えると、WiMAXやLTEといった次世代のモバイルブロードバンド回線(とそれに付随した製品)にも関心が集まるところ。先行しているウィルコムやUQコミュニケーションズのブースを中心にその動向を見ていこう。


PHSならではの自由な端末──ウィルコム

ウィルコムブース

 データ通信と言えば、かつてはウィルコムのPHSサービスが代名詞だった。モバイルデータ通信用の各種機器やスマートフォンでも先駆的存在となっている。

 HSDPAの高速回線が主流になりつつある昨今でも、公称値に近い実効速度が得られる回線の安定度の高さ、低消費電力、価格の安さといった特徴は健在。PHSがまだまだ使い出のあるサービスであることは、W-ZERO3シリーズのユーザーがいまだ多いことからも分かる。

 先日発売された「どこでもWi-Fi」(PHS回線を内蔵した無線LANルーター)のように、気軽に導入できる個性的な製品もリリースしてくれている。

ウィルコムWSIMカードを差し込んでPHSが使える環境であれば無線LANを利用可能とする「どこでもWi-Fi」。エネループ単3電池×4本で動くのだが、こうして見るとほとんどエネループ用充電器と変わらない大きさ

 ウィルコムの特徴といえば、通信機能をすべて集約したW-SIMカードである。端末デザインの自由度が高いとうたわれているが、実際はユニークな端末が少なく、安価な音声定額プランを求める若年層向けの音声端末や、業務用データ端末として利用されているのが残念なところ。

 通信端末のデザイン作品が展示されていたが、参考出品というよりはコンセプト展示に近いものだった。端末形状も利用スタイルも自由度が高いPHSシステムだけにもっと実験的な製品が待ち望まれる。もっとも、ホンダや日産の純正カーナビには、同社のWSIMが組み込まれているなど、ユーザーの目に付かないところで着実に普及しており、ケータイ端末だけがシェアでないのは確かだ。

バイク用ヘルメットに付けるヘッドホン状のものはライダー用コミュニケーションツール。実際に特定小電力のライダー用無線通話装置は各種の製品があるが、PHSの応用製品としては面白い
腕時計状のものは常時肌に付ける医療センサーで、心拍をモニタリングするなどでして緊急時に備えるデバイス

 ウィルコムが次世代通信として提唱するのがXGPだ。ブースでも実際にデモが行われていた。都内ではすでに試験的にサービスが開始されており、今後サービス範囲の拡充とともに正式サービスの開始が期待される。ウィルコムPHSでは従来から構内無線通話サービスや社内の内線電話のような使い方も可能だった。

 XGPでも同様に地域単位で導入し、防災情報や自治体からのお知らせを通知するといった使い方も考えられている。

正式サービスが待ち望まれるXGP搭載PCと、地域活性化のためのコミュニケーション手段としてのXGP構想

モバイルWiMAXをアピールする──UQコミュニケーションズ

UQコミュニケーションズ

 次世代高速データ通信として、モバイルWiMAXに対する関心度は高い。すでに商用サービスも開始され、搭載パソコンやアダプタも各社から登場しつつある。UQコミュニケーションズのブースでは実際のデモもさることながら、すでに発売済みのアダプタ、搭載PCの多さによって次世代高速データ通信のスタンダードになりつつあることをアピール。

展示された各社の対応製品。とくに目新しいというわけではないが、本格的にWiMAXの市場が動いていることを感じさせられる

 通信アダプタ以外では、車載ナビ組み込みWiMAXおよびデジタルサイネージの参考出品が面白い。車載に関しては今後のサービスエリア拡充の必要性があるだろうが、設置型の電子看板に定期的に表示データを送って更新するデジタルサイネージがあるということは、PHS同様に組み込み用途を大きく意識していることを伺わせる。

クラリオン製作によるWiMAXを組み込んだカーナビ製品。PNDも同様だが、地図だけでなく各種情報をリアルタイムに受信することも可能なナビにとってはWiMAXは魅力的な通信手段となるはず

 モバイルWiMAXは現状、普及の途上にある技術と言える。続々と登場する対応製品など、期待は持てそうだ。担当者の話では「それでも一般の認知度がまだまだ低い」のが問題で、TV CMや無料お試しサービスによる認知度の向上を図っていきたいとしている。

実施中の15日間無料お試しサービス。自宅や行動範囲内がサービスエリアがどうか分かりにくいことからもかなり試してみたいところ

4つの次世代通信技術のインフラを担う、京セラ

京セラブース

 次世代データ通信を考える上で見逃せないのが京セラブースだ。

KDDIのLTEに対する取り組み。2012年あたりからLTEへ移行するが、それと並行して2010年からWiMAX対応機を投入してゆくようだ

 各キャリアに対してさまざまな端末を供給するとともに、通信関係のチップや基地局向けの機器なども開発している。ブースで力を入れていたのが次世代データ通信の各方式を示した展示。WiMAX、XGP(次世代PHS)、さらに3Gの進化型LTE、さらにすでに海外で商用サービスが行われているワイヤレスブロードバンドiBurstも紹介していた。

 この中でXGPに関しては基地局の機器が展示されていた。現状でほぼ100%のシェアを占めているとのこと。東京エリアを中心に設置されているそうなので、ビルなどに設置されているのを見かけるかもしれない。LTEに関しては3Gの進化型ということもあってKDDIが移行を表明しており、そのロードマップでは2012年後半あたりから順次展開してゆくようだ。

京セラブースに展示されていたXGP用の基地局
Nokia Simens NetworkのブースでもLTEへの移行は最も大きく扱われている

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