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世紀の皆既日食 in 中国レポート

2009年07月23日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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チベット僧

チベット僧

 とはいえ徳欽は、外国人は自由にチベット自治区を旅行できないので、実質最果ての地である。徳欽はチベット自治区と隣り合わせの「チベット族自治州」であり、その名の通り、多くのチベット族が住んでいる。

「日食のとき……?そのときは祈るよ」

「日食のとき……?そのときは祈るよ」

シャングリラの街。豚が道を横切っていた

シャングリラの街。豚が道を横切っていた

 住民の中には今回の日食を知っている人もいた。日食が起きたらどうしますか、と聞いたら「家でお経を読む」と答えた。そんな徳欽へのアクセスは、最も容易な方法でも省都「昆明」からのフライトがあるチベット族自治州の州都「シャングリラ(香格里拉)」まで行き、そこからさらに車で4時間かかる。

徳欽の飛来寺地区に旅行客がわんさか

徳欽の飛来寺地区に旅行客がわんさか

飛来寺の日食目当ての旅行客。最高峰は6740mの梅里雪山を望む

飛来寺の日食目当ての旅行客。最高峰は6740mの梅里雪山を望む

 チベットは高地なので、徳欽も例外なく高地で標高は4000m弱。安宿に泊まって1階から4階まで普段のペースで階段で上った日には、地獄のような酸欠を経験できる。しかしそんなところでも世紀の天文ショーを一目見たいと、多くの中国人旅行客がやってきていた。こと徳欽の街から車で30分行った絶景スポットの「飛来寺」には多くの中国人が集結していた。

当日、徳欽の街は厚い雲に覆われた

当日、徳欽の街は厚い雲に覆われた

雲南省チベット族自治州名物松茸

雲南省チベット族自治州名物松茸

なぜか皆既日食当日は軍人やら警察やら

なぜか皆既日食当日は軍人やら警察やら

 当日、徳欽は曇り。地元の人々が集う市場に向かう。市場では野菜のほか、豚やニワトリ、さらには特産品の松茸も売っている。何か起きた時の配慮か、徳欽の街には軍人や警察が何人も立っていた。

皆既日食直前!

皆既日食直前!

皆既日食!暗くなった!!

皆既日食!暗くなった!!

日食を見つめる地元の人々

日食を見つめる地元の人々

軍人も警察も地元民も日食に注目

軍人も警察も地元民も日食に注目

 あいにくの曇りだったので、欠けはじめから皆既日食までは太陽が見られなかった。ただ皆既日食になると、突然真っ暗になり、地元の人も観光客も驚きの声。一部の地元の人々はお手製の「発砲スチロールの枠+黒色ガラス」の日食用ガラスで、日食を楽しんでいた。

手作り日食グラスを用意してみる人々

手作り日食グラスを用意してみる人々

 さすがに最果ての少数民族だからといってやたら慌てるとか、そういったリアクションはなかった(失礼)。人間以外を見てみれば、豚は反応はなかったが、ニワトリが焦っている、と市場の人は語る。その後雲が薄くなり、部分日食となった太陽がお目見えした。

「豚は何の反応もなかったよ」

「豚は何の反応もなかったよ」

(次ページへ続く)

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