トラフィック増減の原因はユーザーメニューで調べる
「期間Nと期間Gって、いつのことなんでしょうか? 時期が分かればもっと具体的に考えられるのに」――もちろん、自分でWebアクセスを解析するときは、Google Analyticsには表示されないさまざまな要因も頭に入れておく必要があります。今回は、期間Nと期間Gの正体を推理しながら読み進めてください。以下の分析は、期間Nと期間Gが何なのかのヒントにもなっています。
期間Nと期間Gを比べたとき、全体で8万2089セッション、ノーリファラートラフィックで4万582セッション減少した原因を検討します。Google Analyticsのメニューは、原因→結果で並んでいますので(関連記事)、トラフィックの増減を説明する理由はユーザーメニューにあるはずです。各レポートの青線のグラフと緑線(比較対象)のグラフを比較し、形が明らかに異なる箇所を探します。
さっそく、ユーザーメニューの「新規ユーザーとリピーター」レポートを見てみましょう。
「新規ユーザーとリピーター」レポートで分かること
いきなり当たりを引いてしまいました。期間Gでは、期間Nに比べて既存ユーザーが7万3767セッション減っているのに対し、新規ユーザーは8321セッションしか減っていません。ノーリファラートラフィックの減少は、既存ユーザーが減ったから、という原因が浮かんできました。
「既存ユーザーが満足するような記事が減ったんじゃないでしょうか?」――次に、セッション数を時間帯別に見てみましょう。
「すべてのユーザーのセッション数(時間帯別)」レポートで分かること
期間Gではお昼休みの時間帯だけで2万3563セッション落ち込んでおり、日中から深夜にかけても減っていますが、全体ではほぼ同じ形をしています。つまり、期間Nでは会社勤めのユーザーがお昼休みに訪れていたのが、期間Gでは訪れなくなり、全体のセッション数が減ったと考えられるのです。ノーリファラートラフィックの減少は、ビジネスユーザーが減ったから、という原因が浮かんできました。
「うーん、ビジネスユーザーがお昼休みに読めるような、簡単な切り口のビジネス記事が減ったのが原因じゃないでしょうか」――では、画面の解像度別のセッション数を調べてみましょう。
「画面の解像度」レポートで分かること
画面解像度別セッション数の増減からも、ビジネスユーザーの減少が読み取れます。企業内の液晶ディスプレイに多いと思われる1280×1024ピクセルのセッションが5万3069セッション、1024×768ピクセルのセッションが2万8126セッション減少しており、逆に家庭ユーザーの方が多いと思われる1920×1024ピクセルのセッションは4199セッション増加しているのです。記事の内容というよりも、そもそも勤務先で記事を読んでいないようです。
「分かった! 期間Gは休日なんですよ。勤務先から読まないので、お昼休みのセッションが減ったんでしょう?」――そうかもしれないし、そうでないかもしれません。ユーザーメニューのレポートから読み取れたことをまとめると以下のようになります。
期間Nに比べると、期間Gの
- 既存ユーザーは7万3767セッション減った
- お昼休みの時間帯は2万3563セッション減った
- SXGA、XGAのセッションは8万1195セッション減った
- WUXGAのセッションは4199セッション増えた
ユーザーメニューの指標の変化から、「勤務先からアクセスしている既存ユーザーが期間Gではアクセスせず、期間Nと比較してノーリファラートラフィックが減った」という仮説を立て、指標をさらに検討してみます。