Google Analyticsで解析できるWebアクセスは、トラフィック(流入路)別に、ノーリファラ/参照/検索エンジンの3つに大別できます。今回から9回にわたって、それぞれのトラフィックについて増減を分析し、閲覧開始ページから離脱ページに至るまでのサイト内のユーザー行動を把握し、問題点やチャンスを発見する手法を紹介します。最初の3回はノーリファラートラフィックがテーマです。
「そもそもノーリファラーって何でしょうか。リファラーがないからノーリファラー?」――Google Analytics日本語版では「ノーリファラー」と表記されていますが、英語版では「direct」です。「直接トラフィック」という方が分かりやすいし、そういう呼び方をする人も多いですが、Google Analyticsの表記にあわせて「ノーリファラートラフィック」と呼びます。
リファラーとは、HTTPの要求時に付加される参照元ページのURLのことです。HTTPとはWebサーバーとWebブラウザーの間で使われる通信方式のことで、HTTPではHTMLファイルや画像ファイルなどのデータ本体とは別に、どんなデータをWebサーバーが要求したのか、どんなデータをWebブラウザーに応答したのかを示す付加情報を「ヘッダー」として送信します。たとえば、このページを読むために、WebブラウザーとWebサーバーは以下のようにやりとりしています。
WebブラウザーからWebサーバーへの要求(一部省略)
WebサーバーからWebブラウザーへの応答(一部省略)
マーカー部分がリファラーです。ASCII.jpのサイトトップやカテゴリートップから、いま皆さんが読んでいるこのページに訪れた場合は、「Referer: http://ascii.jp/000/000/436/436944/」のような形式になります。はてなブックマークから訪れた場合は、「Referer: http://b.hatena.ne.jp/○○○○○○○○/」、Googleの検索結果から訪れた場合は、「Referer: http://google.co.jp/○○○○○○○○」のような形式になります。ユーザーが訪れるきっかけとなったWebページのURLを、参照先のWebサーバーに知らせるのがリファラーの役割です。
「ノーリファラー」とは、リファラーが付かないHTTPの要求のことで、リファラーが付かない原因としては、以下のような場合が考えられます。
- リファラーを付加しないWebブラウザーを使っている
- URLを直接Webブラウザーに入力した
- Webブラウザーのブックマーク(お気に入り)から訪れた
- 電子メールのメッセージ内のリンクをクリックした
- チャットのメッセージ内のリンクをクリックした
- RSSリーダーで、RSSフィードのリンクをクリックした
「リファラーを付加しないWebブラウザー」はかなり特殊なケースですので、ノーリファラーユーザーがWebサイトを訪れるきっかけは、実際には後の4つのいずれかです。では、ノーリファラートラフィックの特徴はなんでしょうか?