KVMスイッチによる直接的なコスト削減
それでは、アナログKVMスイッチによる直接的なコスト削減額を検討しよう。ここでは、NECのラックマウント型サーバ「Express5800/R120a-1」を8台導入する想定だ。そして、それぞれにKVMコンソールを接続する場合と、ぷらっとホームのKVMスイッチ「PShare EX8」を導入した例を考える(写真1)。なお、それぞれの価格は各メーカー純正品の定価である。
まず、それぞれにKVMコンソールを接続する場合だ。サーバ本体は考えず、キーボードとマウス、15インチ液晶ディスプレイを8台ずつ用意すると、合計金額は47万8400円にもなる。1台3万9800円の液晶ディスプレイが8台になると、30万円を超えるのが大きな負担となっている。
項目 | 単価 | 8台分の価格 |
---|---|---|
キーボード | 1万5000円 | 12万円 |
マウス | 5000円 | 4万円 |
15インチ液晶ディスプレイ | 3万9800円 | 31万8400円 |
合計金額 | 5万9800円 | 47万8400円 |
一方、KVMスイッチを導入した場合のコストは、合計14万9640円で済んでしまう。KVMスイッチ本体と専用ケーブルのコストはかかるが、液晶ディスプレイが1台で済むのが大きい。
項目 | 単価 |
---|---|
キーボード | 1万5000円 |
マウス | 5000円 |
15型液晶ディスプレイ | 3万9800円 |
KVMスイッチ | 5万8000円 |
専用PS/2ケーブル(8本) | 3万1840円(3980円×8本) |
合計金額 | 14万9640円 |
さらに実際には、これに加えてKVMコンソールの設置スペースやその費用も考慮しなければならない。サーバラック内にKVMコンソールを据え付けるには、高さ2Uのドロワー(引き出し)タイプの収納ユニットに格納する方法と、ただの棚板や(本来はお勧めしないが)サーバの筐体上に載せる方法の択一となる。前者の場合、NEC純正の収納ユニットは6万2000円もするので、8セットで約50万円の出費+16Uのスペースが必要になる。後者の場合は、費用は無視できるとしても、サーバ1台あたり7~8Uほどのスペースが必要となり、8セットでフルハイト(44U)のラックを1本以上使ってしまう計算になる。このように、場所のコストを考えてもKVMスイッチを利用すべきとなるだろう。
(次ページ、「デジタルKVMスイッチのメリット」)
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