このページの本文へ

「100円でも送料無料」繁盛店に学ぶ非常識なメール術 (3/3)

2009年07月04日 00時00分更新

文●三浦たまみ

  • この記事をはてなブックマークに追加
本文印刷

セグメント配信で“2度目の購入”を狙う

 3回目からは通常配信のメルマガになり、以後、週に2~3回のペースで発行。毎回、共同購入、オークション、ポイント企画など、何かしらの企画を立てて紹介しています。メールの件名には、「全品ポイント10倍スタート! MAWAハンガー共同購入は25日終了♪」などとメール本文の中からキーワードを抽出し、かつ、顧客の興味を惹くように心がけています。

 購入客に向けたセグメント配信も行なっています。それが、「VIP通信」と呼ばれるメルマガです。以下は、その一部を抜粋したものです。

ながしお

「VIP通信」の一部


  VIP通信で最も気を配っているのが、「あなただけに」という“特別感”を演出すること。ユーザー名、パスワードなどを設定し、購入者だけが入れる特別ページに誘導し、通常よりもかなりお買い得な商品を提供しています。

「一度でも購入した人はVIP扱いにして商品を安く提供するなど、何かしらのおトク感を演出しています。一度購入してもらうまでの道のりも大変ですが、実は、一度購入してくれたお客様を“もう一度”購入に結びつけるのも、かなり大変なのです。そこで一度でも購入した人はVIP扱いにして、“もう一度” 買ってもらおうという狙いがあります。2回購入してくれれば、以降はリピーターになってくださる確率はとても上がります

 こうした日々のメルマガの内容精査と、継続して発行し続ける努力。これこそが、『ハンガーのながしお』の売上げに直結しているのです。


 ところで、実は『ながしお』では、床に敷く「コルクマット」をはじめ、ハンガー以外の商材も多数扱っています。一見、ハンガーと無関係に見える商材ですが、実はしっかりとしたコンセプトのもと選定されています。次回はその秘密に迫ります。


――ネットショップのエキスパートが斬る!――

メルマガで“ファン”を獲得

 『ハンガーのながしお』の場合、セット商品をプッシュしたことなどが理由で客単価が上がっていますが、お店の存続は客単価を上げる努力なくしてありえないと思います。通常、リピーターになる場合、1回目より2回目の方が高額商品を購入する場合のハードルは低くなります。お店に対する信用が増していくからです。

 客単価がまったく上がっていないお店は、新規客ばかりが多くてお店が信用されていない可能性が高いと危惧すべき。客単価を上げるためには、何よりもまず、お客様にお店のファンになってもらうことが肝心。その意味で、メールマガジンは最適なツールです。同店は、メルマガマーケティングに非常に長けたお店であると言えるでしょう。


森本繁生:有料会員制協業事業フォーラム「オンラインショップマスターズクラブ」運営。ブログ「森本繁生のEC道



協力:佐川フィナンシャル株式会社(http://www.sagawa-fin.co.jp/

前へ 1 2 3 次へ

この連載の記事

一覧へ

この記事の編集者は以下の記事をオススメしています